一口で心をつかむ、そのレシピに辿り着くまで。
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第2弾:丸安田中屋
一口で心をつかむ、そのレシピに辿り着くまで。
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第2弾:丸安田中屋
地元製菓店が新名物作りに本領発揮
“3社連携酒粕チーズケーキ”は、ホテル紅や・真澄(宮坂醸造)・丸安田中屋の諏訪市内3社によって開発された逸品です。
今回は第2弾として、元祖酒粕チーズケーキのレシピを元に、3社連携酒粕チーズケーキを開発した丸安田中屋を取材させていただきました。
※産業連携事業補助金:複数の産業間(農林漁業、商業、工業、観光等)の連携により、地域の活性化や課題解決を図ることを目的とした補助金。
諏訪の老舗ホテル「ホテル紅や」が、地元の新たな名物を生み出そうと立ち上がりました。これまで量産スイーツの製造経験がなかった同ホテルが開発パートナーに選んだのは、地元でチーズアントルメで定評のある製菓店「丸安田中屋」。そして味の要ともなる酒粕(さけかす)を提供する「真澄(宮坂醸造)」。この3社のコラボにより、作り上げられた『3社連携酒粕チーズケーキ』は家庭でも、ホテルで味わうような本格的な美味しさを楽しめるよう、素材や製法にも徹底的にこだわり誕生しました。
丸安田中屋はこれまでもホテル紅やとのつながりがあり、ウェディングケーキなどの特注品の製作を手がけてきました。しかし、OEMのようなかたちで、ホテル紅やの要望を商品化し、継続的に製造するのは今回が初の試み。レシピの提供を受けたうえで、自社の技術と設備を活かし製造を請け負うという新たな挑戦に、職人たちの熱意が込められています。
※OEM: 製品の設計や技術を提供する企業と、その製品を製造する企業との間で契約を結び、製品を生産する仕組み。
再現レシピの開発を一手に引き受けたのは、丸安田中屋の土橋宏次さん。彼の座右の銘は「人生一生修行」。その言葉の通り、妥協のない姿勢で再現に挑みました。
ホテル紅やから提供されたレシピをもとに、さっそく試作に取りかかるも、思うような仕上がりにならず、異なる環境下での再現の難しさを感じたそうです。最初は大きめの四角い型で焼いてみたものの、中央が沈みすぎてしまったり、火の通りにムラが出たりと、課題が山積みでした。
そこから、温度や材料の微調整を何度も繰り返し、ようやく沈み込み加減がちょうど良いチーズケーキが焼けるようになりましたが、ホテル紅やの料理長からは「もっとオリジナルに近づけてほしい。」との指摘が。試作を重ねた末、最終的には円形の型で理想的な仕上がりを実現し、さらに「もう一工夫ほしい。」との要望に応えるべく、酒粕感の強弱や焼き色、見栄えにもこだわり、料理長の理想に限りなく近い一品が完成しました。
この試作期間は実に4か月。1回の試作につき4台のチーズケーキを焼き、仕事の合間を縫って試作を繰り返すうち、総数100個以上のチーズケーキを作り出すという執念の作業を遂げ、その努力の結晶がついに『3社連携 酒粕チーズケーキ』として世に出ることになったのです。
試作の先に見えた“理想の味”。妥協なき先に見えた完成
酒造りの過程で必ず出る、副産物である酒粕を有効活用できることについて、「用途が広がるのは大変ありがたい。」と酒粕提供元の真澄は語っています。これまで用途が限られていた素材に、新たな価値が加わった瞬間でもありました。
製造を担った丸安田中屋の土橋専務は、「小さな町の洋菓子店でも、大きなホテルや酒蔵と連携することで、確実にステップアップできた。」と振り返ります。規模の違いを超えた地域の連携が、地元に新たな風を吹き込んだのです。
「諏訪の名物を何か作らなくてはいけない」という強い想いから始まった本プロジェクト。地域の食材と職人の技、そして企業間の連携がひとつになり、地元を代表する「地産地消」のスイーツが誕生しました。
3社連携酒粕チーズケーキは、味わいだけでなく、背景にあるストーリーもまた、人々を惹きつける魅力のひとつとなっています。


購入可能な場所は以下通りです。(※2025年6月時点)




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