副産物に宿る、職人の技
美酒が育てる旨い酒粕
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第3弾:真澄(宮坂醸造)
副産物に宿る、職人の技
美酒が育てる旨い酒粕
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第3弾:真澄(宮坂醸造)
副産物が生まれ変わる 美味しい酒造りからできる酒粕
『3社連携酒粕チーズケーキ』は、ホテル紅やと真澄(宮坂醸造)、丸安田中屋の諏訪市内3社によって開発された逸品です。
今回は第3弾として、酒粕チーズケーキの要ともなる材料「酒粕」を提供している真澄を取材させていただきました。
真澄はこれまでにも、酒粕を使ったワッフルやクラッカー、漬物といった商品を手がけてきた一方で、「もっと酒粕の魅力を活かせる方法があるのではないか。」と、長年研究を続けていたと言います。
そんな中、ホテル紅や内にある陽乃彩の太田料理長と真澄が共同で開催したイベントがきっかけとなり、”元祖酒粕チーズケーキ”が誕生し、一般家庭向けに再現をする“3社連携酒粕チーズケーキプロジェクト”が本格的にスタートしました。
発酵文化が根づく諏訪の地で、素材と技術、そして想いが交差して生まれたこのプロジェクトは、まさに地域資源の新たな可能性を拓く挑戦となりました。
諏訪市には、全国的にも知られる「諏訪五蔵」と呼ばれる5つの酒蔵があります。その中で、今回の酒粕チーズケーキの材料として選ばれたのが、真澄の酒粕でした。
選定の理由のひとつは、その“香り”。真澄の酒粕は香りが穏やかで、ケーキに使われるチーズや砂糖、卵といった素材の風味を邪魔せず、全体の調和を保ちやすいと評価されました。主張しすぎず、それでいて深みのある味わいが、チーズケーキに絶妙なバランスをもたらしたのです。
プロジェクトの中で真澄の宮坂社長と営業部の原さんは、丸安田中屋が作った試作を太田料理長とともに何度も試食をし、味を追求したそうです。
最初の試作品と最終的な完成品では、まったく異なる仕上がりだったとのこと。初期のケーキは、密度が高く重めの食感だったのに対し、完成したチーズケーキは、驚くほど軽く、口どけもなめらか。何度もの試作を経て、味も食感も洗練された逸品へと昇華していきました。
「こだわって造っている酒じゃないと酒粕もいいものはできない。」そう宮坂社長は仰いました。
そもそも酒粕とは、日本酒を造る過程で生まれる副産物です。米と水に酒麹を加えて発酵させることにより「もろみ」と呼ばれる白濁した液体ができます。もろみの白濁は、溶けきらなかった米や麹などが残っている状態で、圧縮してろ過することによって、透明な日本酒と、固形として残った搾りかすである酒粕に分かれます。
一見、酒の残り物のように思える酒粕ですが、実はその品質はもとの日本酒に大きく左右されます。つまり、こだわって丁寧に造られた酒でなければ、良質な酒粕は生まれないということです。真澄の酒粕が今回選ばれた理由には、こうしたこだわり尽くした酒造りという背景も大きく関係しているのです。
3社連携酒粕チーズケーキの完成にあたり、見逃せないのがそのパッケージデザインに込められたこだわりです。
デザインの企画・主導を担ったのは、酒粕の提供元である真澄。シンプルで落ち着いた印象のあるグレーの色味を基調に、大人のスイーツらしさを感じさせるデザインに仕上がっています。
さらに、パッケージにはホテル紅や・丸安田中屋・真澄の3社すべてのロゴをバランスよく配置。視覚的にも、3社の連携を感じ取れるデザインとなっており、コラボレーション商品の象徴ともいえる仕上がりです。
このパッケージ開発は、酒粕チーズケーキの試作と同時進行で行われ、完成までに約1年の歳月を要しました。真澄が中心となって進行しつつ、3社が何度も顔を合わせ、膝を突き合わせて意見を出し合いながら丁寧に作り上げていったそうです。
「地元で生まれた良いものを、地元の職人の手で“諏訪の名物”に育てたい。」
この強い想いを最も強く抱いていたのは、ホテル紅やでした。その想いに共鳴するかたちで、丸安田中屋と真澄が加わり、3社の方向性は自然とひとつに。こうして「3社連携酒粕チーズケーキプロジェクト」は力強く前に進み、実を結びました。
ただし、完成して終わりではありません。この取り組みは、商品開発という枠にとどまらず、地域の価値をブランドとしてどう育てていくか、という長期的な視点で動いています。
関係者たちは「やるなら本格的に。そして、長く愛されるものを。」と口をそろえて言っていました。日本がこれから世界で生き残っていくには、極めて質の高い工芸品や食品など、“職人技”こそがカギになる。その信念のもと、このスイーツにも確かな職人の手仕事が込められているのです。


購入可能な場所は以下通りです。(※2025年6月時点)
----蔵元で真澄を堪能しよう!----
セラ真澄
今回の取材では、真澄の魅力を存分に体験させていただきました!
まずは、蔵元ショップ セラ真澄店内の様子をお伝えしたいと思います。時期は4月下旬、葉桜に移り変わるころ訪問させていただきました。
セラ真澄の入り口には樽酒と、杉玉といわれる新酒の熟成具合を知らせる酒蔵ならではのシンボルが飾られて、日本酒好きがつい立ち寄ってしまうような佇いでした。
ショップでは日本酒はもちろん、お酒にちなんだ書籍やこだわりの食材、酒器など食卓を和ませる品々を揃えており、「作り手の真心がこもった料理や器で心へ栄養を注ぎ込み、テーブルに人と人を結ぶ上質な食中酒を置こう」という宮坂社長の思いが込められています。
中庭を通り過ぎた先にあった景色は普段立ち入ることができない、真澄の歴史を感じる部屋がありました。
その先細い通路を抜けると、レセプションルームがあります。
こちらでは「日本酒を、気軽に楽しんでもらいたい。」「今後のお客様の食卓をもっと豊かにするきっかけを提供したい。」という想いで蔵の一部を改修して創ったそうです。
昔の面影を残す、実際に使用されていた大きなタンクが、利用者を迎えるように、レセプションルームの仕切りとして設置されており、随所に酒造りの歴史を感じることができます。
真澄富士見蔵
酒粕チーズケーキの要ともなる酒粕が実際に作られている。真澄富士見蔵を見学させていただきました!
1982年に建てられた諏訪郡富士見町にある真澄富士見蔵は、標高960mに位置しており日本一高い場所にある酒蔵です。南アルプス山系から流れる澄んだ伏流水を使用しており、きれいな空気と寒さが日本酒造りにとても適しているそうです。
酒粕チーズケーキに使われている酒粕を、実際に見せていただきました。
これは、発酵を終えた醪(もろみ)を酒と酒粕に分ける「上槽(じょうそう)」という工程を経て生まれたもの。ほのかに日本酒の香りがして、米の旨味を感じられる、やさしい味わいでした。
自社精米機や、上質な蒸米ができる甑(こしき)、温度管理の行き届いた酒母室、品質を守るための冷蔵貯蔵庫など、真澄の酒造りには実に様々な工夫があり、多くの人の手が関わっています。伝統的な技を受け継ぎながら、より良い酒造りを目指して新たな挑戦が続けられていることを実感しました。




モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment
この記事をシェアする