ものを語る

副産物に宿る、職人の技
美酒が育てる旨い酒粕
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第3弾:真澄(宮坂醸造) 

副産物に宿る、職人の技
美酒が育てる旨い酒粕
【3社連携酒粕チーズケーキ】
第3弾:真澄(宮坂醸造) 

2025.08.18

副産物が生まれ変わる 美味しい酒造りからできる酒粕

令和6年度産業連携事業補助金採択事業のひとつ「3社連携 酒粕チーズケーキプロジェクト」に携わった3社のプロジェクトにかけた想いを第1弾~第3弾に分けてご紹介していきます。
『3社連携酒粕チーズケーキ』は、ホテル紅やと真澄(宮坂醸造)、丸安田中屋の諏訪市内3社によって開発された逸品です。
今回は第3弾として、酒粕チーズケーキの要ともなる材料「酒粕」を提供している真澄を取材させていただきました。
酒粕の可能性を広げる  老舗酒蔵が抱き続けてきた想い

真澄はこれまでにも、酒粕を使ったワッフルやクラッカー、漬物といった商品を手がけてきた一方で、「もっと酒粕の魅力を活かせる方法があるのではないか。」と、長年研究を続けていたと言います。

そんな中、ホテル紅や内にある陽乃彩の太田料理長と真澄が共同で開催したイベントがきっかけとなり、”元祖酒粕チーズケーキ”が誕生し、一般家庭向けに再現をする“3社連携酒粕チーズケーキプロジェクト”が本格的にスタートしました。

発酵文化が根づく諏訪の地で、素材と技術、そして想いが交差して生まれたこのプロジェクトは、まさに地域資源の新たな可能性を拓く挑戦となりました。

共同開催イベント「夏の聲と美酒&美食の夕べ」
にて提供されたメニュー
共同開催イベント「夏の聲と美酒&美食の夕べ」 にて提供されたメニュー
水鏡に映り込む一枚の蔦の葉を表す真澄のシンボルマーク
水鏡に映り込む一枚の蔦の葉を表す真澄のシンボルマーク
こだわりの料理と酒のペアリングを堪能
こだわりの料理と酒のペアリングを堪能
チーズケーキに適した“穏やかな香りと深み”
真澄富士見蔵にて酒粕を取り出す様子

諏訪市には、全国的にも知られる「諏訪五蔵」と呼ばれる5つの酒蔵があります。その中で、今回の酒粕チーズケーキの材料として選ばれたのが、真澄の酒粕でした。

選定の理由のひとつは、その“香り”。真澄の酒粕は香りが穏やかで、ケーキに使われるチーズや砂糖、卵といった素材の風味を邪魔せず、全体の調和を保ちやすいと評価されました。主張しすぎず、それでいて深みのある味わいが、チーズケーキに絶妙なバランスをもたらしたのです。

 

プロジェクトの中で真澄の宮坂社長と営業部の原さんは、丸安田中屋が作った試作を太田料理長とともに何度も試食をし、味を追求したそうです。

 

最初の試作品と最終的な完成品では、まったく異なる仕上がりだったとのこと。初期のケーキは、密度が高く重めの食感だったのに対し、完成したチーズケーキは、驚くほど軽く、口どけもなめらか。何度もの試作を経て、味も食感も洗練された逸品へと昇華していきました。

うまい酒粕は酒造りから
採れたての酒粕

「こだわって造っている酒じゃないと酒粕もいいものはできない。」そう宮坂社長は仰いました。

そもそも酒粕とは、日本酒を造る過程で生まれる副産物です。米と水に酒麹を加えて発酵させることにより「もろみ」と呼ばれる白濁した液体ができます。もろみの白濁は、溶けきらなかった米や麹などが残っている状態で、圧縮してろ過することによって、透明な日本酒と、固形として残った搾りかすである酒粕に分かれます。

一見、酒の残り物のように思える酒粕ですが、実はその品質はもとの日本酒に大きく左右されます。つまり、こだわって丁寧に造られた酒でなければ、良質な酒粕は生まれないということです。真澄の酒粕が今回選ばれた理由には、こうしたこだわり尽くした酒造りという背景も大きく関係しているのです。

3社の想いを包み込んだパッケージデザイン
高級感溢れるパッケージデザイン

3社連携酒粕チーズケーキの完成にあたり、見逃せないのがそのパッケージデザインに込められたこだわりです。

デザインの企画・主導を担ったのは、酒粕の提供元である真澄。シンプルで落ち着いた印象のあるグレーの色味を基調に、大人のスイーツらしさを感じさせるデザインに仕上がっています。

さらに、パッケージにはホテル紅や・丸安田中屋・真澄の3社すべてのロゴをバランスよく配置。視覚的にも、3社の連携を感じ取れるデザインとなっており、コラボレーション商品の象徴ともいえる仕上がりです。

このパッケージ開発は、酒粕チーズケーキの試作と同時進行で行われ、完成までに約1年の歳月を要しました。真澄が中心となって進行しつつ、3社が何度も顔を合わせ、膝を突き合わせて意見を出し合いながら丁寧に作り上げていったそうです。

想いをひとつに──“諏訪の名物”を本気でつくる

「地元で生まれた良いものを、地元の職人の手で“諏訪の名物”に育てたい。」

 

この強い想いを最も強く抱いていたのは、ホテル紅やでした。その想いに共鳴するかたちで、丸安田中屋と真澄が加わり、3社の方向性は自然とひとつに。こうして「3社連携酒粕チーズケーキプロジェクト」は力強く前に進み、実を結びました。

ただし、完成して終わりではありません。この取り組みは、商品開発という枠にとどまらず、地域の価値をブランドとしてどう育てていくか、という長期的な視点で動いています。

関係者たちは「やるなら本格的に。そして、長く愛されるものを。」と口をそろえて言っていました。日本がこれから世界で生き残っていくには、極めて質の高い工芸品や食品など、“職人技”こそがカギになる。その信念のもと、このスイーツにも確かな職人の手仕事が込められているのです。

A
購入できる場所は?以下リンクをタップしていただくと詳細・購入ページへ移行できます。
Q

購入可能な場所は以下通りです。(※2025年6月時点)

  1. 丸安田中屋店舗(本店・上諏訪駅前店)
  2. ホテル紅や売店前
  3. 蔵元ショップ セラ真澄
  4. 丸安田中屋オンラインショップ
  5. 諏訪湖サービスエリア(上り)
  6. 諏訪市 ふるさと納税返礼品

----蔵元で真澄を堪能しよう!----

セラ真澄

今回の取材では、真澄の魅力を存分に体験させていただきました!

まずは、蔵元ショップ セラ真澄店内の様子をお伝えしたいと思います。時期は4月下旬、葉桜に移り変わるころ訪問させていただきました。

セラ真澄の入り口には樽酒と、杉玉といわれる新酒の熟成具合を知らせる酒蔵ならではのシンボルが飾られて、日本酒好きがつい立ち寄ってしまうような佇いでした。

 

 

新酒の季節には青々としており、茶色に色づくほど酒の熟成を意味します
新酒の季節には青々としており、茶色に色づくほど酒の熟成を意味します
店頭に佇む酒樽
店頭に佇む酒樽

ショップでは日本酒はもちろん、お酒にちなんだ書籍やこだわりの食材、酒器など食卓を和ませる品々を揃えており、「作り手の真心がこもった料理や器で心へ栄養を注ぎ込み、テーブルに人と人を結ぶ上質な食中酒を置こう」という宮坂社長の思いが込められています。

 

日本酒、食品、書籍などが置かれています
日本酒、食品、書籍などが置かれています
漆器や陶器など食卓を彩るアイテムを販売
漆器や陶器など食卓を彩るアイテムを販売
左から「白こうじ」「ぷれーん」「るばーぶ」

ショップを左手に進むと風情ある中庭を眺めながら日本酒やあま酒などをテイスティングできる部屋があります。

「ぷれーん」「白こうじ」「るばーぶ」3種のあま酒それぞれに個性があり、いつもとは一味違うあま酒をぜひ皆さんにもお試しいただきたいと思います。

筆者が特におススメするのは、白こうじあま酒です。

あま酒なのに、甘酸っぱさがあるすっきりとした味にとても新鮮味を感じました。クエン酸由来の酸っぱさなので、暑さで体調を崩しやすいこれからの季節にぴったりの味です。

 

※セラ真澄では、税込み500円(ショットグラス付き)でお勧めのお酒4種類をご試飲いただけます。

テイスティングルーム
テイスティングルーム
中庭の景色
中庭の景色
適切に温度管理された酒を試飲
適切に温度管理された酒を試飲

中庭を通り過ぎた先にあった景色は普段立ち入ることができない、真澄の歴史を感じる部屋がありました。

 

その先細い通路を抜けると、レセプションルームがあります。

こちらでは「日本酒を、気軽に楽しんでもらいたい。」「今後のお客様の食卓をもっと豊かにするきっかけを提供したい。」という想いで蔵の一部を改修して創ったそうです。

昔の面影を残す、実際に使用されていた大きなタンクが、利用者を迎えるように、レセプションルームの仕切りとして設置されており、随所に酒造りの歴史を感じることができます。

 

 

真澄富士見蔵

真澄富士見蔵を背に立つ営業部 原さん

酒粕チーズケーキの要ともなる酒粕が実際に作られている。真澄富士見蔵を見学させていただきました!

1982年に建てられた諏訪郡富士見町にある真澄富士見蔵は、標高960mに位置しており日本一高い場所にある酒蔵です。南アルプス山系から流れる澄んだ伏流水を使用しており、きれいな空気と寒さが日本酒造りにとても適しているそうです。

 

 

酒粕チーズケーキに使われている酒粕を、実際に見せていただきました。

これは、発酵を終えた醪(もろみ)を酒と酒粕に分ける「上槽(じょうそう)」という工程を経て生まれたもの。ほのかに日本酒の香りがして、米の旨味を感じられる、やさしい味わいでした。

自社精米機や、上質な蒸米ができる甑(こしき)、温度管理の行き届いた酒母室、品質を守るための冷蔵貯蔵庫など、真澄の酒造りには実に様々な工夫があり、多くの人の手が関わっています。伝統的な技を受け継ぎながら、より良い酒造りを目指して新たな挑戦が続けられていることを実感しました。

 

 

 

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