ものを語る

SUWAにとことんこだわった酒「野良」完成

SUWAにとことんこだわった酒「野良」完成

2023.12.15

ALL From SUWA 酒プロジェクトの歩み

令和5年度産業連携事業補助金(コレパクト@SUWA)の採択事業であるMade in SUWAにこだわった日本酒の開発プロジェクトが完成し、市長報告を行いました。
参加されたメンバーからこの日本酒にかける想いをお伺いしました。
商品名は「野良」
1983年 「野良仕事」

2022年諏訪市出身の画家、原田泰治氏が亡くなりました。生前、本プロジェクトリーダーである酒ぬのや本金酒造(以下本金)さんは原田さんと親交があり、いつか最高の酒が出来た暁には原田さんの絵を使わせてもらいたいとお願いをしていました。

原田さんはその話を快諾し、「本金は自分の作品だったら「野良仕事」(1983年発表)だね。お酒の名前は「野良」だね。」と命名されました。酒のラベルになじむように原画の山間の風景を白抜きにする作業を原田さん自らされており、いつ本金さんのお酒が完成してもよいように準備をしていました。

残念ながらコロナウイルスの流行や宮坂杜氏の手術等が重なり、原田さんの生前には実現できませんでした。

止まっていた針が動き出す
左から プロジェクトリーダー本金宮坂さん、宮坂杜氏、ナイーフギャラリー原田さん、デザイナー宮坂さん

本金さんは諏訪の酒米「美山錦」にこだわった酒造りをしています。今年はその酒米で醸した日本酒が様々な賞を受賞しました。宮坂杜氏は原田さんの絵にふさわしい日本酒が出来ると確信し、止まっていたプロジェクトを再始動していきました。

コンセプトはALL LOCALLY MADE in SUWA。

水は霧ヶ峰の伏流水、酒米は諏訪市産の美山錦、酵母は諏訪真澄発祥の協会7号を使用。また、チラシ、パッケージ、ラベル、ケース・・・こだわりにこだわりぬいて諏訪の様々な人々の手で創られていきました。

「野良」のこだわり

「野良」の特徴は「甘味、旨味、酸味」など一口で色々な味わいを感じることが出来るキレのよい純米大吟醸酒だそうです。地元の米農家山田ライスセンターさんが手塩にかけて育てた酒米を39%まで磨いています。

デザイン全般は地元出身のデザイナー宮坂さんが担当。ナイーフギャラリーの原田さんが宮坂さんなら野良仕事の画風を活かしながら、本金らしいデザインが出来るのではないかとプロジェクトに携わって頂いたそうです。

 

 

 

ラベルの発色にとても苦労したそうです。
ラベルの発色にとても苦労したそうです。
白地のパッケージは雪をイメージ。開封した姿は雪解けで大地が見え、春が訪れることを表現。
白地のパッケージは雪をイメージ。開封した姿は雪解けで大地が見え、春が訪れることを表現。
込められた想い

「努力の種をまかねば、夢の花は咲かない」

この言葉は生前原田さんから宮坂杜氏に贈られた言葉で、パッケージにも記載されています。

派手さはないけれど、「野良」のような丁寧な仕事をメンバーで地道に続けていき、大輪の花を咲かせました。

モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment

酒ぬのや本金酒造株式会社 宮坂 ちとせ

酒造メーカーとして原田さんの描くような諏訪の田園風景を残していきたい。
そのためにも地元産の酒米にはこだわっていきたいと語られていました。
実際のところ、以前に比べて地元の美山錦の使用量は30倍に増えているそうです。

profile

1975年諏訪市生まれ。

東京のフレンチレストランでパティシエとして勤務。家業の漬物店勤務を経て、2008年より本金酒造に入社。

趣味はドライブ、仕事、呑みだそうです。まさに天職ですね。(笑)

野良の販売は今回限定200本ですが、来年以降もぜひ続けていきたいと熱く語られていました。

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