机上に、誇りを
【キグミメタル3本ペンスタンド】
机上に、誇りを
【キグミメタル3本ペンスタンド】
自社ブランド確立へ 自社技術を応用したBtoCのものづくりを
キグミメタル 3本ペンスタンドは、ステンレスを使用した3つの円が重なる、幾何学模様がモチーフの特徴的かつモダンなペンスタンドです。高級感のある光沢と研磨仕立てで、デスクをスタイリッシュに演出します。
名称の由来である「木組み」とは、釘や接着剤を一切使用せず、木材同士のかみ合わせだけで建物を建てる日本の伝統的な建築技術です。
高精度の金属加工だからできる精密な構造。
どのようにして【キグミメタル 3本ペンスタンド】は誕生したのでしょうか。
株式会社ミクロン精工の皆さんにお話しを伺いました。
株式会社ミクロン精工は精密シャフト加工の専業メーカーであり、特にセンターレス研削という技術に強みを持っています。お客様から受注した図面を基に、高精度・高品質の製品を作っています。
日々の業務をこなしていく中で、装置の内製化をきっかけにして、そこから社内に新たな技術が身についていったそうです。それから、「お客様に依存している今のままの受け身の姿勢では世の中に遅れを取ってしまう。」そんな危機感にも近い思いが生まれ、「開発設計からやりたい」とBtoCへチャレンジする機運が高まってきました。
そんな中、2021年に、2025年中期会社目標“自社ブランド確立”が掲げられ、本格的にBtoCに向けた挑戦が始まりました。
プロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトリーダーは伊藤恭平さんが担当し、何度も企画会議を重ねました。メンバーは15人ほど。有志で集まってもらったそうです。当初はものづくり以外の分野も視野に入れて広い範囲で検討を重ねました。
※BtoB Business to Businessのこと。企業間取引を指す。BtoB事業者は消費者に馴染みが薄いことも。
BtoC Business to Consumerのこと。企業が一般消費者に商品やサービスを提供する取引を指す。
プロジェクトチームを立ち上げ、やりたいことを形にするだけに思えましたが、そううまくはいきませんでした。
リーダーの伊藤さんは当時をこう振り返ります。
「いざ走り出してはみたが、何かを開発した経験もなく、何から始めたらいいのかわからなかった。(文房具以外にも)たくさんのアイデアが出たが、良し悪しの判断ができずかなりボツになった。形にならない期間が長く、心が折れてしまうこともあった。」
うまくいかない期間が続き、気づけば4年の月日が経ってしまっていました。この間にもメンバーが減ったり入れ替わったりし、中期目標のリミットも近づいていました。
自分たちだけで考えていても埒が明かない。
そんな時に茅野・産業振興プラザ主催の【ものづくり学習塾】で、ある大学教授と出会いました。
名前は久保吉人教授。公立諏訪東京理科大学の教授です。ものづくりのプロである教授から様々な助言をもらいました。
この出会いが転機となりました。教授には月1回ほどのペースで会い、「自社の強みを発揮できるほうが良い。まずは小さいことでも成功体験を。」と進め方のアドバイスをもらったそうです。
「自分たちの精密加工技術を生かした新製品を考えよう。まずは試しにでも作って売ってみれば良い。」と前に進むきっかけとなりました。
伊藤さんは、「作るからには絶対に売れるものでなくてはいけないと難しく考えすぎていた。」と当時を振り返りました。
そばで見守っていた若御子社長は、「時間が迫っている中で、どうしようという気持ちが大きかったが、まずは小さなものでも開発・設計して売るところまでやってみよう。それが成功体験として会社や自分たちを成長させる。違うものを作るときにも同じプロセスを踏めば良い。」
こうした考えに変わったことで社員一丸となって一歩前進することができました。
自社技術を生かしたものづくりで勝負することを決めてから、まずは社内で意見を募りました。「自社技術でやる」「外注は極力しない」という条件で募り、200件ほどのアイデアが集まりました。
久保教授も交え、実用性や各種法令等様々な観点からアドバイスをもらい、議論を重ね、5つまでアイデアを絞りました。ペンスタンド、箸、アクセサリーなどが最終選考まで残りました。
この時期からマーケティング担当としてメンバー入りした安達隆博さんも伊藤さん同様に苦労を共にした一人です。「自分はアクセサリーケースと箸を推していました。ペンスタンドに決めるまでもメンバー間でプレゼンしたりと大変でした。」
お互いに譲れない想いや熱い議論を交わし、長きにわたる選考の結果、ペンスタンドに最終決定しました。
商品も決まり、一安心するもつかの間、今度はペンスタンドのデザインを決めなくてはいけませんでした。コンセプトは“魅せるペン立て”。安いペンでもこのペンスタンドに差せば映える。そんなものを作ろうと、何種類もの設計図を作り、議論し、再修正という作業を何回も繰り返しました。
精密加工技術を用いたペンスタンドのフォルムはまずまずの形になっていましたが、もう一工夫ほしい、何かいいアイデアはないか・・・と悩んでいた時に、元大工の社員から「【木組み】をペンスタンドに応用するのはどうか」という、鶴の一声が発せられました。
『キグミメタル』が産声を上げた瞬間です。それから木組みを活かした設計で何度か試作を重ね、最終形に向けて調整を行いました。
試作を重ねること数ヶ月。
1本の支柱に円形の6つのパーツ。同社の精密加工技術によりそれらがピタッとハマり完成形となる。組み立てから楽しめて、机やペンが映える【キグミメタル3本ペンスタンド】がついに誕生しました。
何度も苦労を重ねてやっと完成したキグミメタル3本ペンスタンド。
社長をはじめ、プロジェクト中心メンバーは完成した時の喜びを以下のように語ってくれました。
若御子社長「BtoC展開が会社の悲願だったのでそれが実現できたことが一番嬉しいです。苦労は多かったですが、完成までの過程を振り返ってみるといろいろな発見がありました。中でも、自社開発は難しいものではないという発見が一番大きかったのではないでしょうか。」
伊藤さん「何度も、組み立てと分解を繰り返したらシャフトが抜けてしまわないかなど、発売日直前まで問題と不安を抱えていました。それがクリアでき、自信をもって世に出せたときに、嬉しさと安堵の気持ちが込み上げてきました。」
安達さん「世に出せたという安心感が一番にありました。この事業を通して、自分自身が勉強させてもらえました。」
また、今後の展望としては雑貨屋さんやショップ、ふるさと納税に出していき、多くの人に手に取ってもらいたいと皆さん話してくれました。キグミメタル第2、第3弾も展開を計画しているみたいですのでお楽しみに。
取材にご協力いただいた株式会社ミクロン精工の皆様ありがとうございました。
「机上に、誇りを」いかがでしょうか?
モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment
写真左から安達さん、若御子社長、伊藤さん
profile
社長→釣りが好きなので鹿島リゾート槻の池がおすすめです。
伊藤さん→子供たちと自転車で諏訪湖一周。途中で休憩したり公園で遊んだり、楽しいです。
安達さん→ラーメンが好きでよく食べています。茅野の蔵人が特におすすめです。
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