ものを語る

地元の宝 神宮寺(じぐじ)石を使ったまちおこし

地元の宝 神宮寺(じぐじ)石を使ったまちおこし

2022.09.20

地元住民にとって当たり前の「石」に新たな価値を見出す

令和4年度第一回SUWAブランド認定審査会を経て、「Jiguji アロマストーンシリーズ」が新たなSUWAプレミアムの仲間となりました。商品を開発したのは、上社周辺まちづくり協議会という地域の団体です。協議会の商品が認定されるケースはとても珍しいです。どのようなものがたりがあるのでしょうか?
今回は同協議会の皆様にお話を伺いました。
購入はこちら右向きの矢印
全国2万社といわれる諏訪神社総本社のおひざ元。住民が魅力的に感じる「まち」を作り上げたい。

上社周辺まちづくり協議会は2019年に設立されました。「諏訪大社」を中心とした上社周辺の建物や、まちなみなどの景観や環境を良くし、住民が暮らしやすく魅力的に感じる「まちづくり」をして、地域の産業や文化の発展に貢献することを目的に活動しています。

「この地域の特徴は歴史的文化的コンテンツや自然の恵みが豊富だが、十分に活かしきれていない。住人が地域の良さを再認識し、外部にPRしていくことで参道にかつての賑わいを取り戻したい。」

と力強く小島会長はおっしゃっていました。

上社周辺まちづくり協議会 小島会長
昔は参道沿いにお土産屋さんや飲食店など様々なお店が立ち並んでいたと語られていました。
上社周辺まちづくり協議会 小島会長 昔は参道沿いにお土産屋さんや飲食店など様々なお店が立ち並んでいたと語られていました。
上社周辺まちづくり協議会 小林名誉会長
前市議会議員。協議会の発足に尽力されました。
上社周辺まちづくり協議会 小林名誉会長 前市議会議員。協議会の発足に尽力されました。
神宮寺の自慢は「石」

地域の魅力を掘り起こしていく過程で、協議会は地元しかとれない安山岩にスポットライトを当てました。

神宮寺地域でかつて産出された安山岩は「神宮寺(じぐじ)石」という愛称で呼ばれ、地域の生活に溶け込んでいました。諏訪盆地が形成されたのは200~250万年前といわれていますが、専門家の調査によると神宮寺石は10~20万年前の小規模な噴火がきっかけで形成されたそうです。

神宮寺石の特徴は多孔性で吸水性があり、保水力があること。また、加工しやすく、それでいて堅牢であること。そのため古くから住宅の根石、石垣や植木鉢として利用されており、神社仏閣では鳥居や石塔などに用いられています。

現在では、産出地が神体山に指定されており、新たな入手が非常に困難になってしまいました。住宅の取り壊しや石垣を改修するときに所有者から譲ってもらって何とか量を確保しているそうです。とても貴重で、特長のあるプレミアムな石なんですね。

加工前の神宮寺石。鈍色と小豆色の2色。
加工前の神宮寺石。鈍色と小豆色の2色。
赤色斜線部が産出される地域。現在は神体山に指定されており、立ち入り禁止となっている。
赤色斜線部が産出される地域。現在は神体山に指定されており、立ち入り禁止となっている。
石加工のプロフェッショナルの(有)石栁北原の北原社長。神宮寺石の事を熱く語られていました。
石加工のプロフェッショナルの(有)石栁北原の北原社長。神宮寺石の事を熱く語られていました。
諏訪大社上社の鳥居も実は神宮寺石で造られています。建立は約200年前です。
諏訪大社上社の鳥居も実は神宮寺石で造られています。建立は約200年前です。
制作秘話

アロマストーンを発案したのはデザイナーの内堀さん。ご自身は三重県からの移住者だったこともあり、埋もれていた神宮寺石の特長に着目し、地域の住民にとって当たり前だった”石”に新たな可能性を吹き込みました。

「吸水性を実験してみたところ、とても水を吸った。地域の住民にとって親しまれた神宮寺石を現代の生活に溶け込むような身近なものに活用できないか検討している中で発案した。」

「巷にあるアロマストーンのほとんどが人口石。貴重な天然石を使うので、台座にもこだわりたかった。そこで、諏訪市産業連携事業補助金を活用して、地元の3者と連携し、地元×プレミアムなものに仕上げた。」

と内堀さんは語られました。

 

見る見るうちにアロマオイルを吸い込みます。
台座の作成は木曽の事業者「NOKO」さん
見る見るうちにアロマオイルを吸い込みます。 台座の作成は木曽の事業者「NOKO」さん
台座の作成は諏訪市の事業者「丸安精機製作所(Laurett's)」さん
台座の作成は諏訪市の事業者「丸安精機製作所(Laurett's)」さん
台座の作成は諏訪市の事業者「目黒工芸社(諏訪アクリルラボ)」さん
台座の作成は諏訪市の事業者「目黒工芸社(諏訪アクリルラボ)」さん
デザイナーの内堀さん。SUWAプレミアムやご自身の活動で広げた縁で事業者との連携を実現しました。
デザイナーの内堀さん。SUWAプレミアムやご自身の活動で広げた縁で事業者との連携を実現しました。
石の加工場。天然石なので亀裂や表面のデコボコがあり、端材がどうしても多くなってしまうとのこと。
石の加工場。天然石なので亀裂や表面のデコボコがあり、端材がどうしても多くなってしまうとのこと。
カット前のアロマストーン。何個分でしょうか?
カット前のアロマストーン。何個分でしょうか?
次の一手

アロマストーン以外にも神宮寺石の活用について協議会で協議しており、独自のアロマアロマオイルも検討しているとか。

オリジナル商品の販売は協議会活動の原資のひとつとしていく考えです。今後の活動の目玉は新たに活動の拠点となった建物の整備で、観光案内や参拝者と区民の交流、協議会の会合に活用したいとおっしゃっていました。

諏訪大社上社の目の前に位置する絶好の立地です。非常に楽しみですね。

アロマストーンは諏訪市のふるさと納税で購入できるよう、手続きを進めている最中だそうです。

現在、(有)石栁北原、SUWAプレミアム公式サイト、SUWAガラスの里でお求めいただけます。

手前の建物が活動拠点。諏訪大社上社とは目と鼻の先。
手前の建物が活動拠点。諏訪大社上社とは目と鼻の先。
協議会では歴史探索ガイドも作成しています。
協議会では歴史探索ガイドも作成しています。

モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment

上社周辺まちづくり協議会

諏訪市の南に位置する神宮寺区は太古から諏訪信仰の中心地であり、かつては大変な賑わいのあったところです。いつからか地元では神宮寺を「じぐじ」と呼び親しむようになりました。「じぐじ」には美肌の湯ともいわれる神宮寺温泉、江戸時代の絵図にもある名水の石清水、今回ご紹介した神宮寺石など自然の恵みがたくさんあります。

profile

諏訪大社上社をはじめ数々の歴史文化資産と自然の宝に恵まれた神宮寺地区の住民が中心に、住民と来訪する人々が交流するまちづくりを推進する団体。
会員数 42名/2021年4月

〒392-0015 長野県諏訪市中洲768番

電話:0266-53-6168

✉:info.jiguji@gmail.com

諏訪大社上社周辺まちづくり協議会 | Facebook

神宮寺地区の歴史探索ガイド

https://design.suwa-premium.net/wp-content/uploads/d1801db926cd97b9a3e359778419813c.pdf

 

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「 アロマストーン 」はSUWAプレミアム公式サイトより購入可能です

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