開発モノがたり

誰もが知りたくなる、
新しい寒天の定義!
どこにもない“寒天ブランド”の
開発モノがたり

誰もが知りたくなる、
新しい寒天の定義!
どこにもない“寒天ブランド”の
開発モノがたり

2021.02.25

イリセンの“寒天ブランド”を象徴するアイテムたち

伝統とモダンが入り混じる新しいロゴに、イリセンの魅力が目に飛び込んでくるガイドブック。さらに、他の寒天業者では見たことがないような格子状の寒天型。寒天業界の常識を打ち破ってきたイリセンにぴったりの、どこにもない“寒天ブランド”を象徴するアイテム一式ができました。
ブランド力を高めて寒天業界の発信源に
イリセン代表取締役 茅野文法さん

寒天は8割が食物繊維でできており、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの予防が期待できるほか、低カロリーでダイエットにも効果的という、とても画期的な食材です。株式会社イリセンは寒天のすごさをより多くの人に伝えるため、そのまま食べられる寒天のスナック菓子やスープに入れて具として楽しめる寒天などを開発し、寒天業界の常識を覆してきました。

そんなイリセンの代表取締役である茅野さんは、今までやってきたことを外に伝えたいけれど、一歩目の踏み出し方がわからないという悩みを抱えていました。

「もう色々と取り組んでいるけれど、お客さんに説明する道具がありませんでした。ひとつにまとまっていて、わかりやすく伝えられるようなツールがほしかった」

直売店には寒天を使ったオリジナルな商品が数多く並んでいる

名のついたメーカーとしてブランド力を高め寒天業界の発信源になれば、地域を挙げて諏訪を盛り上げていけると考えたのです。また、実績が上がると同時に、寒天作りをもっと効率的に行いたいという思いも持つように。これが実現すれば、生産量が増えても対応することができます。そこで茅野さんはSUWAデザインプロジェクトとタッグを組み、イリセンの功績をアウトプットしてファンを増やした上で、仕事も効率化させたいと考えました。こうして、二つの課題解決に向かいプロジェクトは動き出しました。

イリセンの取り組みを知ってもらい、ファンを増やすには?

まずひとつ目の課題は、取り組みがうまく伝わるツールがないこと。これを解決するために、イリセンの強み、そして誰に何を知ってもらうことがファンを増やす一番の近道なのかを考えました。イリセンが持っている強みは、寒天の新しい食べ方の提案や、生産者と消費者を繋ぐ体験型の活動、そして雄大な自然の中で寒天を作れること。そして最後に、課題となっていることを解決しようとする、茅野さんの“熱意”です。

イリセンの取り組みを伝えるのにこれらの強みが一番活かせるのは、茅野さんが大事にしている“直売所”での啓蒙でした。ただ寒天を買いに来た人や観光客など、直売所に来る潜在顧客に取り組みを知ってもらい、魅力を拡散してもらうのです。

そして2つ目の課題は、製造をもっと効率化したいということ。

「普通は20人くらいでやる事を4人でやっているんです。ちなみに天日干しの工程は、お客さんを呼んで体験として一緒にやっています。喜んでもらえるし、こちらとしても助かる」と、驚きの方法を教えてくださった茅野さん。それでもお客さんが来ない日は作業が大変だそうです。寒天製造の工程で少しでも負担を軽減することのできる箇所はないかと考えました。

ワークに参加する茅野さん
ワークに参加する茅野さん
付箋で書き出したアイデアを整理して客観的に見れるようにする
付箋で書き出したアイデアを整理して客観的に見れるようにする
魅力を伝えるためのアイデアが集結!

イリセンの魅力を伝えるための様々なアイデアが集結!食品のアイデアだけでなく、売り方や新しいツールの提案など、想像を超えた幅広いアイデアが集まりました。

お酒にピッタリ!おつまみ寒天
お酒にピッタリ!おつまみ寒天
ところてんを簡単に作れるツール
ところてんを簡単に作れるツール
食べる以外のアイデアも
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ガチャガチャで購入できる寒天!
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諏訪の温泉地で飲まれることを想定した寒天ジュース
諏訪の温泉地で飲まれることを想定した寒天ジュース
そのまま食べれる!ところてん
そのまま食べれる!ところてん
ファンを増やすためのツールとは?

ひとつ目の課題に対して絞られた、伝えるためのツールは、“イリセンのロゴ”とイリセンの功績がひと目でわかる“イリセンガイドブック”。イリセンのロゴ制作を専門のデザイナーに発注し、対外的に発信しやすいようリブランドしました。そしてそのロゴの展開を目的に、見開きで手のひらサイズのガイドブックを制作したのです。

「見やすくどこでも置けるものを作ってもらって、こういう伝え方があるんだなっていうのも勉強になりました」

茅野さんからの言葉通り、寒天の写真とロゴが大きくプリントされたガイドブックの中身は、茅野さんが開発した「おかしなかんてん」や「かんた」などの商品紹介を始め、寒天の作り方や直売所の紹介まで、イリセンの魅力が凝縮したものに仕上がりました。

プロジェクトを通して完成した、イリセンの魅力を伝えるガイドブック
プロジェクトを通して完成した、イリセンの魅力を伝えるガイドブック
イリセンの魅力を直感的に伝えるデザインとなっている
イリセンの魅力を直感的に伝えるデザインとなっている

そして二つ目の課題に対する解決案は、溶かさずに食べる寒天「かんた」を作るための型の改良。「かんた」は元々、天日干しなどの段階で崩れてしまいロスになる、棒寒天を利用した商品でした。その売れ行きを見た茅野さんは、ロスを使うのではなく元から「かんた」用の寒天を作ることを思いついたのです。そして原料の濃度を調整し、原料費を抑えることにも成功しました。しかし棒寒天用の型を使うために寒天をカットする工程が増えてしまい、その手間をどうにか軽減できないかと考えました。

その結果生まれたのが、「かんた」専用の「かんた」型。ステンレス製の型に流し込んで固めた寒天に、上からマス状のフタを押し当てて、寒天を角状に切ることができます。従来の型より小さいため重さも減り、寒天をひっくり返して型から外す作業がしやすくなりました。また、ひとつひとつの寒天が小さくなったため、棒寒天よりも凍る温度が高くなり、温暖化にも対応できるという代物です。

「これなら女性にも扱いやすいし、効率良く『かんた』の寒天ができる。働き方改革にも繋がります」

新しく生まれ変わった「かんた」型
これからの挑戦

「今までもこれからも自社のみだと限界が来てマンネリ化してきてしまう。他からの意見を聞きたかったというのが、SUWAデザインプロジェクトに参加した理由です。事業を良くしていくのに一番ヒントになるのは、工業など寒天とは関係ない他業者を見ることだと思っています。でも、地元の企業に訪問する機会はなかなかないから、SUWAデザインプロジェクトでは製造業など全然関係ないところからの意見が参考になりました」

茅野さんが持つ今後の野望は、現在10社ある諏訪の寒天業者で一致団結して地域を盛り上げること。そのために、まずはイリセンとしてのブランドを確立して認知度を上げたいと教えてくださいました。「たかがうちだけでこんなに来るんだから、10社でやったらすごいことになるはず」と、未来に期待を膨らませています。

また、他企業との取り組みも個人的に勉強したかったという茅野さん。「寒天って主張がないから、結構コラボしやすい商品なんですよ」と、現状に留まらない情熱が見え隠れする一言をいただきました。

工場創立時から使われている窯の前にて撮影。長く大事に使われた道具が魅力的に映る。

モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment

有限会社イリセン 代表 茅野文法

「今までイリセンの取り組みを知ってもらうのにかなり時間がかかっていました。こんな風にきれいにまとまったツールができて、より多くの人に伝えることができるようになりました。実はお客さんから2人、従業員になったんです。取り組みを知ってもらう機会を作ることによって、働きたいという声もいただくのは嬉しいことです。また、ロゴをもっと広く展開することにも注力していきたいですね。面白いし、伝わりやすいなと思っているので」

profile

有限会社イリセン 代表取締役。1980年10月16日、長野県諏訪市生まれ。子どもの頃からの夢はプロサッカー選手。武蔵大学付属信州工業高等学校→大原学園JaSRA→卒業後は社会人として実業団でプレー。
2009年に有限会社イリセンに入社。専務取締役を経て2017年に代表取締役に就任。
会社方針は「長い歴史の中で受け継がれてきた伝統を守りつつ新しいことに挑戦し続ける」
サッカーで培った体力と斬新なアイデアで寒天産業に革命を巻き起こす。

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