ものを語る

すべての人に癒しを
 〜ろうそくの炎の様に揺らぐLED間接照明〜

すべての人に癒しを
 〜ろうそくの炎の様に揺らぐLED間接照明〜

2023.08.25

忙しい毎日に、リラックスできる空間を…

今年度第1回目のSUWAプレミアム認定商品審査会を経て、エーピーエヌ株式会社(岡谷市)のLED間接照明が新たに認定商品に加わりました。商品名は「YUMEKAと絹のぬくもり」。
プリント基板の設計・製造を主要事業とする同社に、その製作秘話を伺います。
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コンセプトは「癒し」
認定商品に加わった「YUMEKAと絹のぬくもり」。光源とシェード(カバー)のセット商品です。

今回認定された「YUMEKAと絹のぬくもり」は、バッテリー充電式LED間接照明の光源であるYUMEKA、そして、100%シルクの生糸で編み込んだ球体型シェード(カバー)をセットにしたインテリア照明です。

当社は自社ブランド「AIKA」という、「ろうそくの炎の様な揺らぎ」を再現したLED間接照明を手掛けています。ブランド名になっているAIKAがケーブルタイプの光源であり、今回認定されたセット商品のバッテリー充電タイプの光源がYUMEKAになります。

そして、ろうそくの炎の様な揺らぎこそが、AIKAシリーズ最大の特長です。これは1/f(エフ分のいち)と呼ばれる自然界に存在する心地の良いリズム(ゆらゆらと不規則に揺れる姿)を再現したもので、癒しの効果があると言われています。
AIKAシリーズは癒しをコンセプトにしていますので、おしゃれな雰囲気の演出はもちろん、心身をリラックスさせる空間づくりにもご利用いただけます。

ケーブルタイプの光源AIKA単体。
ケーブルタイプの光源AIKA単体。
バッテリー充電タイプの光源YUMEKA単体。シェードを載せる台座付きのシェードタイプと台座のないスリムタイプの2種類があります。
バッテリー充電タイプの光源YUMEKA単体。シェードを載せる台座付きのシェードタイプと台座のないスリムタイプの2種類があります。
「自社商品を作りたい」新しい領域への挑戦

2017年からAIKAシリーズのECサイトを立ち上げ、販売を本格展開してきましたが、実は2008年にAIKAは誕生していたのです。

当社は、他社に納品するプリント基板の設計・製造を主に手掛けてきました。裏方とも言える事業ですが、これとは別に「個人消費者である皆さまに向けた自社商品を作りたい」との声が、2000年代後半に社内から上がりました。
当時はLEDが出始めた頃。大手メーカーは蛍光管や電球などの直接照明の開発に取り組む一方で、空間を演出する間接照明は市場規模が小さいこともあり参入していない状況でした。つまり、大手競合他社の動向分析を優先することなく、新しい領域に挑戦できる環境だったのです。
また、間接照明は、結婚式場や温泉施設などで落ち着いた雰囲気の演出に多く利用されていました。加えて、癒しの演出が求められている場所だったことに注目し、付加価値として癒しのリズム1/f揺らぎを取り入れよう、それこそ、創業以来基板設計で培った経験を活かして再現させようではないかとなりました。そして、研究の結果、2008年にケーブルタイプの光源AIKAが誕生したのです。

しかし、一つ問題がありました。開発はしたものの販売を苦手としていたため、特定の顧客に年数個販売するに留まり、ほとんど眠ったままになっていました。
時は過ぎ、2011年。甚大な被害をもたらした東日本大震災が起きました。多くの人たちが悲しみに暮れる中、自分たちにも何かできないだろうか、今こそ癒しをコンセプトに開発したAIKAを1人でも多くの人に届けられないだろうか。そうした思いから販売に注力し、2017年にはECサイトを立ち上げ、本格的にAIKAを世に送り出したのです。

販売が進むと、お客様から様々なご意見をいただきました。「コードレスが良い」「明るさの調整はできないか」などのリクエストから更に研究を進め、2020年にバッテリー充電タイプの光源YUMEKAが誕生したのです。ろうそくの炎の様な揺らぎを搭載の上、揺らぎのスピードと明るさを5段階調整できるように改良。また、当社は、明治時代から生糸の一大生産地として発展した岡谷市を拠点とすることから、地域産業の活性化を目指し、シルクを100%使用した球体型シェードを採用しました。こうして「YUMEKAと絹のぬくもり」が生まれたのです。

製作過程を振り返る小松代表取締役。
製作過程を振り返る小松代表取締役。
答えは「揺らぎの融合」

癒しの効果があると言われている、ろうそくの炎の様な揺らぎ。この揺らぎは、創業以来培ってきた回路・電気設計技術のノウハウを活かし、自社開発の電子制御基板を使って再現しています。
再現するためには、自然界に存在する1/f揺らぎのスペクトルを分析し、プログラミングするわけですが、完全に再現するとむしろ不自然であり、安らがないことが判明しました。そこで、ろうそくの炎の揺らぎを混ぜてみようとのアイディアにより研究を進めた結果、「1/f」と「ろうそくの炎」の揺らぎを融合させた方が優位であることが分かり、今の商品が生まれました。

ちなみに、製作秘話と言うほどのことではありませんが、ろうそくの炎を取り入れることとなった時、実際にろうそくを灯して観察したことがありました。それも就業時間後の社内、暗い中。1人きりで眺めていたのですが、所用により戻ってきた従業員に目撃され、「何か思い詰めているのではないか?」と驚かれたことがありました。開発に行き詰まっていたのは事実ですが、思いがけず心配されたのは、今では良い笑い話です。

商品名の由来「AIKA」と「YUMEKA」

AIKAの開発が済んだ2008年。当時ちょうど生まれたのが私の長女アイカでした。
開発プロジェクトには、まだ一社員であった私も関わらせてもらいましたが、商品名をどうするか同僚と検討していた時、「娘の名前はどうか?」と候補に挙がりました。冗談半分でしたが、意外にも社内の反応も良く、そのまま採用されたのです。
そして、社長になってから開発した2020年のYUMEKAも、次女の名前が由来になっています。
当の娘たちは良くも悪くも反応はありませんが、子どもたちと同様、大切にしている商品です。

そして、これから…

AIKAシリーズの第三弾の開発に取り組んでいます。現在、一次試作を終えた段階で、商品化にはあと1年掛かろうかといったところです。商品名は、そうですね、もう一人娘がいますので、三女の名前を付けようと思っています。

そして、話は変わりますが、コラボレーションにも力を入れていきたいと思っています。YUMEKAとセットにしたシルクの球体型シェードは、地元岡谷市の製糸業者に作製してもらっています。また、ブランディングの一環としてAIKAブランドのロゴを作りました。諏訪地域の中高生からデザイン案を募集し選考したわけですが、こちらはAIKAの頭文字Aを、そして、ろうそくの炎の温かみを両手の指先を合わせ表現されたものです。こうした私たち単独では作れないものであっても、皆さんの強み・協力を得ることで、新しい価値を生み出すことができるわけです。
現在、諏訪市内のある事業者さんが、当社の光源を使った新しい商品作りに取り組まれています。今後も様々なコラボレーションにより新たな価値を創出し、少しでも社会に貢献できればと思っています。

100%シルクの生糸で編み込んだ球体型シェード。地元岡谷市の製糸業者に作製してもらっています。
100%シルクの生糸で編み込んだ球体型シェード。地元岡谷市の製糸業者に作製してもらっています。
ブランドのロゴマーク。諏訪地域の中高生から募集し、応募総数112件の中から選ばれました。
ブランドのロゴマーク。諏訪地域の中高生から募集し、応募総数112件の中から選ばれました。

モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment

エーピーエヌ株式会社 代表取締役 小松 英智

AIKAやYUMEKAは、LEDの光源ですので、燃えやすい素材や熱に弱い素材のシェードにも、また、お子様のいる場所でも安心して使用することができます。当社はシェードとのセット販売もしていますが、お客様が今まで使用していた、お気に入りのシェードや自分で作ったシェードに問題なく取り付けることが可能です。
使い方は自由です。アイディア次第で和室や洋室など様々なシーン、用途に使っていただき、お客様の手でAIKAシリーズを育てていただければと思います。
なお、明るさや揺らぎを実物でご確認いただけるよう、現在デモ機の無料貸し出しを行っています。ぜひこの機会に「揺らぐ光」を体験してみてください。

profile

出身:長野県岡谷市
短大卒業後、しばらくロサンゼルスへ留学。その後、現在の会社へ入社。営業部、専務の職を経て、2019年12月から社長を務める。
学生時代には野球を、そして、現在は筋肉トレーニングや岡谷太鼓に励む。

AIKAブランド 公式ホームページ
https://www.apn-jp.com/aika/

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「 YUMEKAと絹のぬくもり 」はSUWAプレミアム公式サイトより購入可能です

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「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
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