ものを語る

おもちゃでこどもたちの郷土愛を育みたい ~コドモココロを忘れないオトナ達の挑戦~

おもちゃでこどもたちの郷土愛を育みたい ~コドモココロを忘れないオトナ達の挑戦~

2023.06.23

おもちゃ好き・こども好きの仲良しメンバーから始まったモノ語り

約4,300年前に作られたといわれる始祖女神(しそめがみ)像。国重要文化財に指定されています。
出土されたのは富士見町の八ヶ岳南ろくにある井戸尻遺跡。縄文中期、諏訪地域は独特の思想、文化を育み、黒曜石の交易をめぐる、当時の銀座と称され、栄えていたようです。
そんな町の宝である始祖女神像をモデルとした「つみき」を制作したふじみおもちゃ工房さんに制作に至ったきっかけ、商品に込められた思いなどをインタビューしました。
購入はこちら右向きの矢印
ふじみおもちゃ工房設立のきっかけを教えてください。

当初は少人数のおもちゃ好き・こども好きな仲良しグループから活動が始まりました。

おもちゃを制作するという明確な目標を持ってスタートしたというわけではありませんでした。

各分野で活躍する、才能や技術を持つ人が町内にたくさんいて、それぞれが、富士見ゆかりのおもちゃがあったらいいよね、という思いを持っていました。

その力を集めたら、漠然としていたおもちゃ作りへの思いが形にできるのでは!とお声がけしスタートしました。

おもちゃ制作に本格的に取り掛かることとなったのは2019年。コアメンバーにはパワフルで前向きな女性が多く、それに呼応されるようにメンバーが集まり「ふじみおもちゃ工房」が結成されました。

画家、クラフト作家、WEBデザイナー、子育て支援団体のメンバー、元学校教諭、ITエンジニア、商店主、木工作家など多種多様な前向きメンバーが集まりました。

公民館やあんきらこんを拠点に集まり、様々な議論を行いました。

あんきらこんとは何ですか?

あんきらこんとは富士見町の方言で「お気楽」という意味です。

富士見駅前にあるフリースペースで、交流施設として利用されたり、子どもたちの遊び場としても利用されています。

元床屋の物件で空き家となっていましたが、所有者にお話をしてご好意により使わせていただいています。

夜は大人たちが集まって会議をしたり、映画を見たり…(!?)

外観写真、現在はコロナの関係で色々な制限の中、利用されているようです
外観写真、現在はコロナの関係で色々な制限の中、利用されているようです
壁一面にはおもちゃがびっしり。おもちゃ好きなメンバーが集まって夜な夜な会議をしているようです。
壁一面にはおもちゃがびっしり。おもちゃ好きなメンバーが集まって夜な夜な会議をしているようです。
作家さんの作品も販売しています。
作家さんの作品も販売しています。
しそちゃん誕生秘話

町の宝である始祖女神像ですが、存在自体は町民に認知されているものの、像や井戸尻文化を深く知っている方は多くないという現状でした。そうであれば始祖女神像をモチーフとしたおもちゃを作ろうという話になりました。

さっそく始祖女神像を所蔵する井戸尻考古館に相談したところ我々の理念に共感いただき、キャラクターのイメージづくりや商品に同梱する栞づくりなど様々なバックアップをしていただけました。

おもちゃを通じた低年齢のこどもたちへのアプローチが出来れば、将来的な郷土愛の醸成や文化の理解に繋がるとおっしゃってくれました。

とんとん拍子で話が進み、一気に商品化のイメージが固まっていきました。

 

 

坂上遺跡出土土偶 始祖女神像(左)と ふじみおもちゃ工房キャラクター しそ めが美(右)
坂上遺跡出土土偶 始祖女神像(左)と ふじみおもちゃ工房キャラクター しそ めが美(右)
商品・パッケージ・栞
商品・パッケージ・栞
しそちゃん 育てるつみきに込められた願い

ファーストトイとして 安全・安心・手作業にこだわる

滑らかな手触り。触っていてとても気持ち良いです。

「富士見で生まれた子供たちが生まれて初めて触れるおもちゃが、地元の資源と技、人の思いがこもったものであればいいな。」 こどもを持つ母親がメンバーに多いことからファーストトイを作りたいという意見が自然と出て、積み木を制作することになりました。こうしてしそちゃん 育てるつみきが誕生しました。

口に入れても安全な塗料を使用し、きめが細かくささくれができにくい樹種を採用しています。面取りは木工作家が丁寧に行っていますが、削りすぎず遊んでいく内に角が取れてその人の手になじむよう敢えて余白を残しています。経年変化で積み木に光沢感が出てくることも特徴です。愛着を持って遊んで積み木を育ててほしいという願いも込めて「育てるつみき」としています。

また環境に配慮して間伐材を使用しています。里山整備にもつながればよいと思っています。 富士見町役場にも協力いただき、「ファーストトイ」として町内で生まれたこども全員にプレゼントしていただいております。

 

 

積み木を手にしたこどもたちが小学生になって博物館を訪ね、始祖女神像を見たとき「小さな頃に遊んだあの積み木は…!」と気づいてくれたら素敵ですね。

今後の展開

PRのぼり。駅前でしそちゃんがお出迎えします。

第2弾として歯固めや別の木のおもちゃ等、乳幼児向けの商品開発をしています。

現在、町の補助金を頼りにしている部分がありますが、積み木の販売で得た収益を活動資金とし、商品開発や工房の活動を積極的に進めていきたいと思います。

開発当時から富士見町のふるさと納税の返礼品に登録されるような商品を作りたいという目標がありました。現在、返礼品に登録できるよう準備を進めているところです。

モノがたりに参加した
立役者からのコメントComment

ふじみおもちゃ工房 代表 上原 一芳

パワフルな女性メンバーに支えられ、代表に抜擢。穏やかな人柄がとても印象的でした。文房具店の店主と富士見おもちゃ工房の2足のわらじで精力的に活動されています。
SUWAプレミアムは様々な筆記具が認定されており、文房具に携わる職業柄SUWAプレミアムの事を以前から注目していたそうです。認定されるような商品をいつか作りたいという目標のもと制作にあたってきたので、とても光栄と仰っていました。(こちらこそありがとうございます・・・!)
SUWAプレミアム認定の報告を富士見町長にしたところ、お褒めの言葉を頂戴したそうです。

profile

出身:富士見町

大学卒業後、家業である(有)イチジュウへ入社。現在代表取締役を務める。趣味はギターで、過去にはバンド経験もあったそうです。

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「 しそちゃん 育てるつみき 」はSUWAプレミアム公式サイトより購入可能です

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激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
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