綺麗な諏訪湖を未来へ繋ぐ「クリーンプロジェクト」
綺麗な諏訪湖を未来へ繋ぐ「クリーンプロジェクト」
諏訪湖で唯一カヤック体験ができる観光名所「アクティビティベースコグー(以下、『コグー』)」を運営する傍ら、諏訪湖の景観問題に一石を投じるプロジェクトを発案。諏訪湖の魅力を後世に繋いでいくためのプロジェクト”Suwako Clean Project”についてアポルタ合同会社の代表 井川さんにお伺いしました。
コグー のここがスゴイ!
移住のきっかけ
諏訪市出身の井川さんは大学進学を機に神奈川に移り住み、大学卒業後は東京の会社に就職。東京で働きながらも、起業したいという夢と長野県で暮らしたいという想いを持っていた井川さんは移住フェアに参加し、地域おこし協力隊に出会いました。
「人脈もお金もない中で起業するにしても生活はしていかなくてはいけないので、地域おこし協力隊という制度を知って、起業の準備期間に適していると思い、この制度を選びました。」
地域おこし協力隊を活用しようと決めた井川さんは、たまたまブース出展していた王滝村の方とお話したところ、協力隊として活動する時間は夕方からということで、日中は起業準備に充てることができると聞き、当時「最高じゃないか。」と思い、王滝村への移住を決意したそうです。
コグー のここがスゴイ!
諏訪湖でもカヤックを
長野県の1番西に位置している王滝村は97%が山林原野で、人口は650人ほどの小さな村ということもあり、そこでの生活は都会とは打って変わったものになったそうです。
「コンビニもなく、お店も午後7時には閉店してしまうので最初の2年は暮らしていけるか不安もあったのですが、3年目ぐらいからは徐々に村の方たちとも仲良くなり始めて、自然の遊び方や田舎ならではのスキルを教わるようになりました。田舎のゆっくりと流れる時間は暮らしやすいと感じました。」
王滝村で生活する中で御岳湖カヌーツーリングに出会い、コグーを開業するきっかけになったそうです。
当時2019年の諏訪湖にはカヤックを体験するところがなく、自分の生まれ育った地でもできるようにしたい、諏訪湖という資源をうまく活用したいと思い発起しました。
しかし起業するにあたり、諏訪湖の水質を懸念し、うまくいかないだろうという声もあったそうです。地域おこし協力隊として塾の先生をしつつ、王滝村と諏訪市の道のり約100キロを夏場は毎日往復しては1人で準備を整え、反対の声も振り切って諏訪湖カヤックは2019年4月開業を迎えました。
コグー のここがスゴイ!
カヤックの魅力を広める
諏訪湖カヤックは開業時、コグーの前身となる紅やマリーナという名でカヤックのみの体験を行っていました。実績を積みつつ体験できるアクティビティの数を徐々に増やしていき、2023年3月現在のコグーがオープンする運びとなりました。
開業してから売り上げが立つにつれて、コグーは諏訪湖でできるアクティビティとして徐々に人気を博していきました。現在では関東からの観光客がほとんどで、夏場の最盛期は15人定員のツアーが1日3本あるところを、満員御礼が毎日続くそうです。
地域住人にも認知されていき、3歳からカヌー体験ができるということもあり親子連れにも好評なアクティビティとなりました。
徐々にカヌーに魅了された仲間も増えていき、お客様として体験をしに来た方がスタッフになるためにコグーへそのまま転職してくれたこともありました。
コグー のここがスゴイ!
諏訪湖をもっと綺麗な場所に
10数年前から諏訪湖には菱(ひし)という水草が繁茂しています。菱はリンや窒素などの余分な栄養を吸収してくれる一方で、菱が湖面を覆うことで景観を損ねたり、水中酸素の低下を引き起こすことで魚類の生態系へ影響を及ぼしたり、船に絡まってしまうなどの問題点がありました。
オープン当初、1人でツアーを回していた井川さんは、菱対策に充てる時間がほとんどない中、どうにかしないといけないと考えていました。
やがて仲間が増えてきた時、動きだしたプロジェクトが“Suwako Clean Project”です。
2021年から始まったこのプロジェクトは、諏訪湖の景観改善をメインの目的として、菱の刈り取りをはじめ、湖上及び湖岸のゴミ拾いなどの活動をしています。諏訪湖の約19万㎡を190㎡(バレーコートと同じくらいの大きさ)ごとに区画分けをし、1区画5000円で1年間の清掃代行をコグーへ依頼できるというものです。
刈り取った菱の一部は、富士見にあるみのり建設にてたい肥化されます。菱を使ったたい肥は栄養豊富で、ヒシ由来の繊維が適度な水分を溜めこむという特徴があります。
コグー のここがスゴイ!
プロジェクトを通した 出会い
プロジェクトを始めると、湖周の旅館やホテルだけでなく製造業者や、SDGsの意識を持っている企業などの多くの方々に協賛していただいたそうです。
協賛だけではなく、プロジェクト自体に参加してゴミの回収をしたいという声もかかるようになり、この取り組みを社内研修の一環として取り入れたい等、予想外の反応をいただくこともありました。
このプロジェクトを通して、諏訪湖の景観改善だけではなく人の温かさも感じることができたようです。
「プロジェクトを通してつながりが増えたことが1番嬉しいと思います。諏訪湖がきれいになるのは大前提にありますが、それ以前に今まで関わることのなかった方たちが応援してくれるようになって、年に1回でも2回でも清掃活動に来てくれることで、諏訪湖を想う人がこんなに居ると実感することができました。」
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「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
諏訪の技術を世界へと伝え、異分野と繋ぐことで
「ものづくり」をアップデートするお手伝いをさせていただきます。
アクティビティベース コグーのこともっと知りたい!
諏訪湖カヤックを 体験させていただきました!
カヤックに乗ることが初めての取材担当が、試乗させていただきました。
1人乗りカヤックの重さは約17キロと片手で持てる程度の重さです。
普段は眺めるだけであった諏訪湖も、ひとたび大海原に出るとその雄大さに圧巻されました。風のない日や晴れた日は湖上もきれいに太陽を映し、遮るものがないので爽快感は地上では味わえないものだと感じます。
初めてパドル(水をかいて進むための道具)を使った時、進み方の原理に少々戸惑いますが、通常のツアーでは使用方法などもレクチャーいただけるので初心者でも安心です。
立石公園
やはり諏訪湖が一望できる立石公園がおすすめです。
コグーにいらっしゃるお客様も、映画の影響もあってかよく行きますし、連れて行っても喜ばれるスポットだと思います。
※夏季無休,雨天・冬季休業あり
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