P2G2Lとは??「シントク」が考える電力の地産地消
P2G2Lとは??「シントク」が考える電力の地産地消
諏訪市に本社がある、大型機械加工を生業として機械装置の土台などを製造する「シントク株式会社(以下、シントク)」。今シントクでは、大型機械加工業とは一見かけ離れた興味深い開発が進められています。シントクが目指すP2G2L社会とは?開発室の鷹合さんにお話しをお伺いしました。
シントク のここがスゴイ!
脱炭素社会の実現へ
~水素発電システムの開発~
シントクでは、SDGsによる企業環境が変化する中、社会貢献を進めることは企業の存続において必須だと考え、我々に何が出来るか社内で議論を重ねてきました。そんな中、水素発電が世間で注目され始めている一方、小型の発電システムが世の中に存在しないことに着目し、3年前より小型水素発電システム開発プロジェクトが諏訪市本社工場で開始されました。
電力をすべて再生可能エネルギーで賄おうとすると、日中は太陽光発電で何とかなるにせよ、悪天候が続くと電力不足になる可能性があります。そこで、太陽光発電で使用しきれない日中の余剰電力を水素製造ユニットにより水素化して貯蔵し、必要時に水素発電により電力が賄える小型システムを検討しました。令和4年には試作システムの開発に成功し、諏訪圏工業メッセでお披露目することが出来ました。
シントク のここがスゴイ!
社内での実証実験の開始
その後、茅野市にある八ヶ岳工場に太陽光パネルを設置し、食堂に1号機を置いて、実証検証を継続しています。食堂の電気の一部はこの1号機によって実際に賄っています!
ただ1号機は小型化に成功したものの、一部の機構がシステムの外に出てしまっています。
現在は長野県成長産業支援補助金を活用させていただき、より小型に、かつ機構がすべて装置の中に入る2号機の開発を進めている最中になります。
シントク のここがスゴイ!
シントクが目指す
「P2G2L」とは?
現在国が進めている水素基本戦略は、海外で褐炭などから作られた安い水素を大規模にタンカーなどで運び、臨海の工業地帯などで利用するというものです。
この方法では、製造時や運搬時に二酸化炭素が発生するため、本当の意味でクリーンなエネルギーなのか、という疑問が残ります。
そういったことからシントクでは、最近耳にする「P2G」(Power to Gas=電気からガスを作る)という言葉に「to Local consumption」(地産地消)を足して再生可能エネルギーの安定供給と電力の地産地消による地方のエネルギー自立を目指す「P2G2L」(Power to Gas to Local consumption)を提唱しています。
再生可能エネルギーの安定供給により二酸化炭素排出量を削減し、太陽光発電をはじめとしたクリーンな電気からそれぞれの地域でグリーン水素(※)を製造し、ボンベに貯蓄することで電力の地産地消を進め、エネルギーによる地域格差をなくし、エネルギー自立による地域活性化を目指し、引き続き開発を進めていきます。
※グリーン水素:再生可能エネルギーなどを使って、製造工程においても二酸化炭素を排出せずに作られた水素のこと。
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「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
諏訪の技術を世界へと伝え、異分野と繋ぐことで
「ものづくり」をアップデートするお手伝いをさせていただきます。
シントクのこともっと知りたい!
未来に向けた開発の楽しさ
自分はプロジェクト開始2年目からメンバー入りしました。日々開発を進めているものの、まだ中々ゴールは見えてきません。しかし、ひょっとしたら日本の未来を担っていく技術になるかもしれず、夢があり、とてもやりがいのある仕事だな、と感じています。今までシントクが培ってきた知見や技術だけじゃ太刀打ち出来ないことが多くあり、日々新しいことの勉強が必要で大変ですが、これからもメンバー一丸となって開発を進めていきたいです。
香港厨房
お値段以上の美味しさに、休日のランチでヘビーローテーションさせてもらっています!
八ヶ岳工場:長野県茅野市玉川字原山11400-100
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