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地域協働が生んだ、諏訪の地ビールが完成!【諏訪浪漫フレッシュホップエール 『一夢希(いぶき)』】

地域協働が生んだ、諏訪の地ビールが完成!【諏訪浪漫フレッシュホップエール 『一夢希(いぶき)』】

2025.11.25

諏訪の地から生まれた特別な一杯

その名も「諏訪浪漫ビール フレッシュホップエール 一夢希(いぶき)」

2025年11月6日、諏訪にある福祉施設「一夢希(いぶき)」で諏訪産ホップ100%の地ビールの完成発表が行われました。
原料となるホップの栽培を施設の利用者が行い、市内の酒造メーカー「麗人酒造」が醸造しました。
麗人酒造は日本酒で知られる諏訪五蔵の一つで、近年は日本酒だけではなくビールの製造にも力を入れています。
福祉施設と酒造メーカーという一見すると異色の連携、どのような経緯で開発されたのでしょうか?
一夢希代表の藤森さんにお話をお伺いしました。

ホップ栽培に挑戦したきっかけ

一夢希は平成24年に創業し、現在、市内2か所で小規模多機能介護施設を運営しています。

施設の運営にあたっては町田市にあるDAYS BLG!の理念に賛同しています。

BLG(加盟型認知症共創コミュニティ)」とはBarriers(障害)、Life(生活)、Gathering(集い)の略で、認知症になっても希望を持ち、社会や人と繋がることを目指す取り組みです。

BLGの施設は全国にあり、一夢希もBLG諏訪として施設利用者である“メンバー”さんと様々な地域活動をしています。

ビールづくりの転機はBLG町田でメンバーさんが育てたホップをビールにする取り組みを耳にしたことでした。

一夢希代表の藤森さんはすぐさま「これを是非諏訪でもやってみたい」と思い、メンバーさんに聞いてみました。

メンバーさんからも「ぜひやりたい!」という声が挙がり、令和5年度からホップ栽培に挑戦することが決まったのです。

手探りの1年目

栽培にあたり、ホップはそれほど難しくないと聞いたため、ホップについてあまり研究することなく栽培を開始しました。畑は幸運にもご厚意で無償で貸していただく事ができ、今思うと順調な滑り出しでした。

メンバーさんには苗の定植作業から水やり、草刈といった日常の管理を手伝っていただきました。1年目は家庭菜園レベルの栽培でしたが、大きな問題は無く収穫を迎えることができました。

そして収穫したホップをBLG町田に使っていただき、Green Ribbon Pride HOPSというビールが完成しました。

この時、自分たちが育てたものがビールに変わる喜びを味わうことができましたが、同時に「諏訪でもビール作りをしたい!」という声が挙がりました。

そこで地元の酒造会社「麗人酒造」に打診し、余っていたホップでビールの試作をお願いしました。

麗人酒造は日本酒の酒蔵でありながら、平成11年よりビール醸造を開始し、ビールの分野においても様々なコンテストに入賞しています。

しかし、生ホップを使ったビール醸造は初めてで、麗人さんにとっても新たな挑戦でしたが、非常に面白い取り組みと理解していただき、二つ返事で快く引き受けていただきました。

そして、試行錯誤の上に完成したのが、記念ビール諏訪浪漫「いぶき」(非売品)でした。

様々なメディアに取り上げられ、活動を評価され、関わってくださった皆さんの笑顔を見て新たな挑戦がしたくなりました。

それは、一般販売です。

メンバーさんに苗の定植作業をしていただいています。
メンバーさんに苗の定植作業をしていただいています。
暑い中、草刈り作業はとても大変です。
暑い中、草刈り作業はとても大変です。
1年目の畑の様子
1年目の畑の様子
町田BLGの活動で生まれたビール「Green Ribbon Pride HOPS」。このビールに一夢希で栽培したホップが使われました。
町田BLGの活動で生まれたビール「Green Ribbon Pride HOPS」。このビールに一夢希で栽培したホップが使われました。
諏訪浪漫いぶきくんラベル。関係者で美味しく頂きました。
諏訪浪漫いぶきくんラベル。関係者で美味しく頂きました。
挑戦の2年目

2年目は一般販売に向けて、ホップの収穫量を増やすことを目標にしました。

そのため春先にホップの苗を購入し、作付面積を倍以上にしました。

昨年同様、2年目も順調に収穫できると楽観視していました。しかし、1年目がたまたま上手くいっていたことに徐々に気づき始めたのです。

猛暑による高温や蒸れに加え、強風で株が折れたり、害虫の被害にも遭い栽培は困難を極めました。メンバーの皆さんの努力むなしく1年目の収穫量にも満たない結果となってしまいました。

一般販売に向け、諏訪市の補助金を活用して麗人さんとも準備を進めていましたが、熟考の末、断念しました。

量が足りない分を他のホップや原料で調整して醸造することも可能でしたが、「諏訪市産ホップ100%」を謳えるビールをどうしても作りたいと考えたためです。

収穫前の畑の状況
収穫前の畑の状況
猛暑で毬花(まりはな)が枯れてしまっています。
猛暑で毬花(まりはな)が枯れてしまっています。
病気で生育不良となってしまった苗
病気で生育不良となってしまった苗
リベンジを誓う3年目

3年目は山梨県のホップ栽培農家さんに教えを乞い、栽培方法を一から見直しました。

またホップ棚を改良したり、土壌を改良したり・・・。炎天下の中、メンバーさんも含め一生懸命栽培しました。

その結果、順調に生育が進み、沢山のホップを収穫する事が出来ました。

喜びも束の間でホップは収穫後、ビールの原料となる毬花(まりはな)を一つ一つ手で摘み取らなければなりません。

この作業がとても大変です。メンバーさんの都合が悪い時に自分一人でやる時がありましたが、1㎏を摘み取るのにほぼ半日かかかりました。

メンバーさんがいらっしゃる時は、この大変な作業をお願いしましたが、おしゃべりをしながらあっという間に作業を終わらせている姿を見て本当に驚きました。

 

 

栽培を見つめなおした3年目。棚田を整備しています。
栽培を見つめなおした3年目。棚田を整備しています。
近隣のきみいち保育園の畑もお借りして、栽培しました。園児の皆さんにも草取りや水やりを手伝っていただきました。
近隣のきみいち保育園の畑もお借りして、栽培しました。園児の皆さんにも草取りや水やりを手伝っていただきました。
長野県福祉大学の畑も使わせていただきました。
長野県福祉大学の畑も使わせていただきました。
収穫前のホップ。順調に育ちました。
収穫前のホップ。順調に育ちました。
たわわに実ったホップ。可愛いですね。
たわわに実ったホップ。可愛いですね。
メンバーさんが毬花の摘み取りをしている姿。
メンバーさんが毬花の摘み取りをしている姿。
いよいよ販売へ

パッケージは地元のデザイナーのnostyleの小林さんにデザインしていただきました。

ホップそのものを全面に施したパッケージはシンプルでありながら、ホップの愛らしさがダイレクトに表現されています。

そして販売できる体制が整い、記者会見を迎えました。

残念ながらビールの完成を見届けることなく、亡くなられたメンバーの方もいらっしゃいました。しかし、沢山のメディアの方々の前でみんなの努力の結晶を報告でき、今までの苦労が報われる思いがしました。

メンバーの皆さんとこのビールを頂きながら、喜びを分かち合いたいと考えています。

デザイナーの小林さんは一夢希さんのホップ畑を実際にご覧になり、デザインされました。
デザイナーの小林さんは一夢希さんのホップ畑を実際にご覧になり、デザインされました。
記者会見に同席されたメンバーの宮入さん(写真手前左)、田中さん(写真手前右)
「みんなでワイワイ楽しみながら作業ができた。色々な人と会えるのが楽しかった。」と語られました。
記者会見に同席されたメンバーの宮入さん(写真手前左)、田中さん(写真手前右) 「みんなでワイワイ楽しみながら作業ができた。色々な人と会えるのが楽しかった。」と語られました。
沢山のメディアの方に取材され、若干緊張気味でした。
沢山のメディアの方に取材され、若干緊張気味でした。
気になるお味は・・・?

会見で麗人酒造の小口営業部長から「ホップの味わいを充分に活かすため、麦芽の特徴を抑えめに醸造した。爽やかな香りがする綺麗にまとまったビールに仕上がった。」と説明されました。

自分も初めて頂いたとき、心地よい苦みや野性味を感じ、あまりの美味しさに感動してしまいました。そして、試行錯誤しながらメンバーさんと苦労してホップを栽培していた思い出がよみがえりました。

販売は11月13日からで、限定3600本です。ぜひ多くの方に飲んでいただきたいです。

メンバーさんの社会参加や生きがいづくりにもつながりますので、是非来年も継続してホップづくりをしていけたら良いと思っています。

麗人酒造の小口営業部長
麗人酒造の小口営業部長
初めて味わうビールの味に思わず感激。「うまい・・・!」と心の声が漏れていました。
初めて味わうビールの味に思わず感激。「うまい・・・!」と心の声が漏れていました。
麗人酒造の店頭販売の様子。
麗人酒造の店頭販売の様子。
市長へ完成報告を行いました。
市長へ完成報告を行いました。

一夢希 藤森史考 代表のこともっと知りたい!

一夢希 藤森史考 代表オススメのSUWA

<川全般>

川の流れをぼんやり眺めることが好きです。

とても癒され、良い気分転換になります。

諏訪大社上社も自分にとってのパワースポットで、気持ちが洗われる気がします。

 

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