経営理念は
「想像力×総合力=会社の永久的発展」
エー・アイ・エヌの目指すモノづくり
経営理念は
「想像力×総合力=会社の永久的発展」
エー・アイ・エヌの目指す
モノづくり
株式会社 エー・アイ・エヌ
A.I.N CO.,LTD
「想像力×総合力=会社の永久的発展」を経営理念として掲げる株式会社エー・アイ・エヌ(以下エー・アイ・エヌ)は、昭和55年に創業した、電子機器関連、プリント基板、近距離無線通信などを扱う会社。プリント基板とは、絶縁体で出来た板の上に同線が配されたもの。ここに電子部品がはんだ付けされ、あらゆる電子機器を動かすために必要な電子回路として機能します。これらの主力事業のほか、自社製品の開発にも取り組んでいます。杖に着ける自動点灯歩行補助ライト「暗くなったらヒカル君」は、家電量販店で販売をするまでに。
エー・アイ・エヌ のここがスゴイ!
企画から組み立てまでワンストップ
諏訪で希少価値の高い電気機器産業
「ワンストップで社内で完結できるので、アイデアを持ってきてもらえれば全部社内で調達して組み立てまで出来る。小さい会社だけれど企画から製品まで請け負えるっていうのは諏訪の中でもあまりなく、強みですね。お客さんがここを見に来ると、ここで全部出来ること、技術者がいて不具合があったら対応できるところなどが特に気に入られます」
そうお話するのは、株式会社エー・アイ・エヌの代表取締役・大蔵さん。エー・アイ・エヌの魅力は、電子機器系の製品企画段階から、完成品までを供給できることです。中でも、大阪にある『キャットアイ』という自転車アクセサリのメーカーは、老舗の取引先。
「現状だと弊社の事業の4割くらいを、この会社との共同開発が占めています。今の主力は、Bluetoothでスマートフォンとリンクしてデータをやりとりできるスピードメーターと、LEDのライトですね。一時期は事業の7割程度を占めていた頃もあったのですが、スマートフォンが代用されるようになり、最近は少し需要が落ちてきています」
自転車のスピードメーターは月産5万~10万個を作っていた時期もあったとか。大蔵さんいわく、自転車業界はIT化の波には影響を受けても、景気の波には左右されないそう。
また、諏訪の工業地帯では少ない電子機器関係を扱っている会社であることもエー・アイ・エヌの強みです。様々なメーカーの電子機器用の基板の開発をし、回路設計から実際のはんだ付け、そして検査まで完了させてお客さんに渡します。
「諏訪は精密機器の町なので、電子機器関係を扱っているところが全然ないんです。同業者がもっと集まってくれれば違う展開もできるかなと思っているんですけど。うちも拠点は諏訪ですが、東京にも営業所を作りました。開発と営業を入れて、活動を始めています」
現在では開発もCADを使って行うため、遠隔での仕事はそんなに抵抗がないという大蔵さん。将来的には、東京の営業所でも依頼を完結できるようにしたいとお話してくださいました。
「今後は、自社事業の割合を上げていきたいです。やっと自社製品『暗くなったらヒカル君』も出せましたし、もっとやるか縮小するかのどちらかだと思っているので、来年は今考えていることを実現させたいです。計画しているのは、車のシートなどにある、USB扇風機のベビーカー用と抱っこひも用。市場調査をしているところです」
エー・アイ・エヌ のここがスゴイ!
特許を取って“メーカー”に!
自社製品や大学との共同開発も
このように、エー・アイ・エヌは通常業務だけでなく自社事業にも力を入れています。代表作とも言える自社製品が「暗くなったらヒカル君」。特許を取得したこの商品は、自分の持っている杖に簡単に取り付けることが出来る、杖用歩行補助ライトです。明るさと加速度を検知するセンサーが組み込まれているので、歩いている時に外が暗くなると、自動的に電気が点灯する仕組み。杖の角度が変わっても、先1.5m程度は照らせるようになっています。
「最初はただの振動センサーを使っていて、動くと点灯するというものでした。でも従業員の皆に持たせてみると、車内などで突然点灯してびっくりしたとかそういう意見をもらって。だから、歩いてるっていうアルゴリズムも取り込んで、歩いていない時は点かない仕様にしました。電車などで迷惑にならないよう、強制的に消すボタンも付いています」
お年寄りが使うことを想定していることもあり、動かすのに一切手を触れなくていいことにこだわったそうです。その後、ギフトショーに出展した際に大手家電量販店のケーズデンキが目を付けて、全国500店舗で取り扱われることに! さらに長野県最大級のガラスミュージアムである「SUWAガラスの里」内にある「SUWAプレミアム」ショップにも卸しているそう。「凝り過ぎて、原価がすごい上がってしまったんですけどね」と、苦笑しながら言う大蔵さんからは、良いものをつくりたいという想いがひしひしと伝わってきました。
さらに自社製品だけでなく、自社事業として茅野市と諏訪東京理科大学とともに研究開発を行っています。最近は、IoTなどの無線関係が増えているそう。エー・アイ・エヌが関わっている製品は、100~200にも及ぶと言います。
「今取り組んでいるのが、遠距離無線通信という、GPSのアンテナを使って位置情報データを15分に1回、外部にあるアンテナで飛ばすというもの。茅野市と諏訪東京理科大学と一緒に、子供や徘徊老人の見守りというところを担当しています。例えば登山の授業の時に、お母さんたちが今どこに子供たちがいるのかがわかるような製品を試作しています。3年計画で今年が2年目。来年でプロジェクトが終わったら、商品化する予定です」
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「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
諏訪の技術を世界へと伝え、異分野と繋ぐことで
「ものづくり」をアップデートするお手伝いをさせていただきます。
エー・アイ・エヌのこともっと知りたい!
自社製品のこぼれ話を教えてください
大抵大蔵さんが考えるという、自社製品のアイデア。お酒を飲んでいる時にふと思いついたりすることも多いとか。暗くなったらヒカル君について、つくろうと思ったきっかけを伺いました。
「元々私の母が杖をついていたんですよ。それである日夜中にうちへ帰ったらいなくて、家の外を探しに行ったら転んでいたんです。杖にライトを着けてあげようとネットで探したのですが、商品がないので、作っちゃおうと。ない商品なら特許も取れるんじゃないかと思って、申請したら取れました」
家族への愛情から始まった商品は、今や全国で取り扱いがあるものに。「将来的にはメーカーになって特許を持つのが長年の夢だったので、嬉しかった」と語ってくださいました。
社長になった経緯を教えてください
大蔵さんは、エー・アイ・エヌの2代目。先代は仲人をしてくれた人だったそうです。
「先代のやっていた会社が潰れてしまって、保証人だった私がそれを引き継ぎました。人の縁に助けられてここまで来ましたね」
元々は会社の近くにある、オーディオ切り替え装置の製造メーカーにいたという大蔵さん。
「その会社が途中からインベーダーゲームを作り始めて、その時に開発にいたんです。当時は爆発的に売れたので、夜を徹して作業していましたね。けれどある日突然、会社が倒産してしまったんです!」
そんな時、同社の筆頭債権者であった「株式会社アイン」というプリント基板メーカーが、大蔵さんを基板製作の設計などをする別会社設立のために引き抜きました。ここに「エー・アイ・エヌ」という社名の由来があったわけですね。
「会社が潰れてしまった時には、当時から取り引きをしていたキャットアイの社長が“大蔵くんがやるなら力を貸すよ”と、助けてくれました」
数々のトラブルに見舞われながらも、秀でた技術と人柄でそれを乗り越えてた大蔵さん。人生経験の豊富さが作る、人としての魅力が滲むエピソードをたくさん聞くことができました。
SHOT BAR CRUISE
株式会社エー・アイ・エヌの代表取締役・大蔵さんがおすすめする諏訪のスポットは、「SHOT BAR CRUISE(ショットバー クルーズ)」。ウィスキーからカクテルまで、バラエティに富んだお酒が楽しめます。「15年くらい前から通っているかな」と大蔵さん。そして注目なのは、このお店の水槽。実はアクアリウムが趣味の大蔵さんがメンテナンスしているんです。御影石のカウンターもクールなこのお店、上諏訪駅からも近く、寄りやすいのも嬉しいポイント。
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