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「何でも缶詰にできたら面白い」。
諏訪地産の物も、新しいアイデアも、そして情熱も。
様々な気持ちが詰まった食品総合製造元。
株式会社 原田商店

「何でも缶詰にできたら面白い」。
諏訪地産の物も、新しいアイデアも、そして情熱も。
様々な気持ちが詰まった食品総合製造元。
株式会社 原田商店

2021.10.22

創業135年!花九曜ブランドでもお馴染み

明治の創業以来、大正、昭和、平成、そして令和。
時代が移ろい変わる中で、信州の名産品と昔ながらの製法を
守り続けて135年。
続けるだけでなく、時には時代を先取りしながら、新しい事
業にもチャレンジしている老舗企業、株式会社原田商店さん。
今回の仕事場図鑑は、同社6代目である原田俊社長にお聞き
しました。

原田商店 のここがスゴイ!

創業は明治19年!6代に渡り135年諏訪市で経営

当社は昔から諏訪の地に根付いて経営してきました。扱っている商品は蜂の子やいなごの甘露煮などもありますが、それ以外でも、値段よりも品質を重視して、とにかく良いものを提供すること、この姿勢を代々続けてきていますね。

使用する原材料についても、長野県産のもの、それ以外なら国産のものに拘り、さらに材料は採ったそのままの状態で極力手を加えない無添加の方針で加工しています。

原田商店さんのホームページから。老舗ならではの歴史が感じられます。

昨今の健康志向の高まりもあり、ジャムやはちみつも、そうした当社の方針が消費者に認められて、問い合わせも増えてきています。

いなごや蜂の子については、電話での問い合わせも多いですね。様々な雑誌で紹介されこともありますが、「昔ながらで懐かしい」と言ってもらえます。

ある雑誌に掲載された際の反応も多かったです。その時は、いなごの甘露煮は通常の20倍くらい注文が寄せられました。

こうした声や反響がありますと、自社のだわりを大切にしてきて良かったと感じます。

 

原田商店 のここがスゴイ!

創業時から、時代に先駆けたハイセンスな取り組みにチャレンジ

当社の歴史の中で、自分は6代目となります。

社長になってからですが、まずは自社の昔の写真や記録などを調べる所から始めました。歴史がある会社なので、写真など古いものが保管してあったんですね。

 

ズラっと並んだ原田商店さんの「花九曜ブランド」です。諏訪市の推薦みやげ品に認定されている商品もあります

その中で、2代目社長は先進的な経営者で、自伝を出すくらいの人だったようです。自分もその自伝を実際に読んだのですが、戦前は旧満州(現中国東北部)でも経営したり、上諏訪駅前にスーパーを構えたり、県内で初めての印刷缶を製造するなど、当時としては時代に先駆けていたようです。かなり繁盛していたとのことでもあります。

当社では自社ブランドである「花九曜ブランド」も展開していますが、こちらも2代目の時から商標化のためにブランド化して始まりました。

花九曜ブランドは、4代目と5代目で商品数が増え、特に先代の5代目の時に商品のラインアップがかなり増えましたが、それでも、自社の方針は変えずに受け継いでいます。

 

 

原田商店 のここがスゴイ!

6代目、原田社長さんの情熱!

自分は4人兄弟の末っ子なのですが、大学を卒業後にいったんスーパーのアドバイザー的な立場で就職し、地元を離れて働いていたんですね。

ですが、自分の手で作っていない商品には、どうしても思い入れが湧かず、「そのような品をただ売るだけなのはどうか?」と感じるようになったんです。

 

自社製品の製造過程を丁寧に説明してくださった原田社長さんです

そのような折に、久しぶりに自社のジャムを食べたところ、これがとても美味しく感じ、思い切って先代である父に相談して「やりたい」と伝え、自社に入社しました。

入社してからは、やはり、やりがいが全く異なりました。自分が良いと思った物を売れますし、顧客からのレスポンスもダイレクトで得られます。こうした点から、自分の仕事が「世のためになっているな」とも感じられました。

逆に大変だったことは、入社してから1年半後の昨年5月に、先代の父が急死したんですね。そのため予期せず代表として6代目になったことです。さらに、ちょうどコロナ禍の時期でもありました。

 

 

美味しそうです!

しかし、そこでブレずに自分のやりたいことに取り組みました。

具体的には、インターネットでのオンライン販売化、クレジット決済の導入、ホームページのリニューアルです。ホームページの更新は、自分が良くしようという気持ちで取り組んでいるので、達成感もありますね。

また、妻がカメラマンということもあり、お洒落な写真を掲載することもできました。

今後は、レシピ等の掲載にもチャレンジしたいと思っていますし、130年の歴史がある自社のみでなく、諏訪の観光に最終的に貢献したい気持ちで活動しています。

それまで身近にありすぎて気が付かなかったのですが、いったん諏訪を離れ戻ってきてみて、「こんなに空気がきれいで星や山もきれいだったのか」と感じました。諏訪湖畔にもきれいなホテルが沢山あり、温泉もあります。観光目的や別荘目的で人が来る理由もわかりますね。

改めて、諏訪って自慢できるところだと思います。

原田商店 のここがスゴイ!

自社のみならず、地域の将来を見据えた展望

今後も質の高い物をぶれずに作り続けたいですね。中でも、長野県や諏訪の地の物で新商品を作りたいです。ルバーブエキスを使ったりんご酢などいいかな、と思っているんですよ。

 

諏訪といえば「かりん」。原田商店さんの「花梨エキス」も推薦みやげ品に認定された名産品です。

将来的にですが、諏訪の至る所に自社製品が置かれるのが理想で、自社を目当てに諏訪へ多くの人に来てもらいたいです。その結果、諏訪の観光が盛り上がり諏訪地域活性化に繋がれば嬉しく思います。

いずれは目標達成したい気持ちで取り組んでいます。

 

原田商店のこともっと知りたい!

地域貢献を通じ、新商品も果敢に生み出します

「あるテレビ局の企画で、県内高校の生徒さんたちのアイデアから信州サーモン缶詰に取り組んだんですね。それまでやったことはなかったのですが、生徒たちの『作りたい』という思いに対して、『地域貢献したい』という気持ちもあったので取り組み、アヒージョの缶詰がうまくできました。高校生とやりとりしながらでしたので、職場体験にも繋がりましたね。
その他では、鹿肉のカレー缶詰の話も寄せてもらいましたが、こちらも美味しくできました。
そのような話はありがたいと感じ、お受けしています」

「先代からは、『何でも缶詰にしたい』と聞かされていたこともあり、『何でも缶詰にできたら面白い』と自分でも思っていましたが、実際にやってみることは大事です。必ず何かが始まります!」
(※写真は、缶詰を製造する機械とのことです)

原田商店6代目 原田俊社長オススメのSUWA

「くらすわ」と「えびす屋」

おすすめのスポットは、「くらすわ」さんと「えびす屋」さんです。

「くらすわ」さんですが、全体の雰囲気や料理もお洒落だと感じるます。

料理も美味しいので、諏訪に友人が来た時に案内することもあるんですよ。

そして「えびす屋」さんですが、安政5年(1858年!)創業の老舗で、名物のわかさぎ空揚はどなたでも美味しく食べられる逸品で、県外の方に贈るととても喜んでもらえます。

 

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「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
諏訪の技術を世界へと伝え、異分野と繋ぐことで
「ものづくり」をアップデートするお手伝いをさせていただきます。

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