たねを蒔く

SUWAデザインプロジェクト2024~魅せる工場見学~ 小松精機工作所 編

SUWAデザインプロジェクト2024~魅せる工場見学~ 小松精機工作所 編

2024.12.03
魅せる工場見学プロジェクト、フィナーレを飾るのは小松精機工作所です。
小松精機工作所はSEIKO社の協力工場として腕時計の部品製造からスタートしました。
腕時計の部品はミクロン単位の精度を要求されるThe精密のセカイ。現在では超高精度のプレス技術を活かし、
自動車に欠かせない重要なある部品を製造しています。その名もオリフィスプレート。なんと世界シェア約40%だそうです。
ミスズ工業に引き続き、今回も四賀小学校5年生に見学してもらいます。
まさにグローバルニッチトップの会社。子どもたちの反応が楽しみです。

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社長あいさつからスタート

魅せる工場見学プロジェクトのフィナーレとなる小松精機工作所の工場見学がスタートします。
小学生の皆さんは食堂に集まり、小松社長のあいさつから始まりました。
「学校から見えるくらい身近な会社であるけれど、何をやっている会社かは知らないと思う。
他にも諏訪にはモノを作る会社がいっぱいある。山に囲まれた小さな地域の会社が世界を相手にビジネスをしている。
ナゼだろう?今日の見学で色々と学べると思う。一生懸命聞いて、その疑問を解決して欲しい。それが将来何かの役に立つかもしれない。」と本日の狙いを語られました。
いよいよ始まります。
いよいよ始まります。
冒頭の小松社長のあいさつ
冒頭の小松社長のあいさつ

会社説明スタート

小松社長からのあいさつが終わり、総務課長の五味さんにバトンタッチしました。
会社説明に入る前に動画で諏訪地域の工業の特徴や軌跡を学んでもらいました。
動画が流れない・・・というハプニングがありましたが、
復旧するまで小松社長の面白トークで場を繋いでいただきました(笑)

五味さんからも諏訪地域は明治期に製糸業で栄華を極めたのち、
第二次世界大戦で疎開してきた軍需工場を支え、
戦後はキレイな水や澄んだ空気という精密産業に適した気候や風土を活かし、
時計・カメラ・オルゴールなどの精密産業が発展してきたという
歴史を解説していただきました。
また、小松精機工作所はSEIKO社の協力工場として、腕時計の組み立て・部品製造からスタートし、
時代に合わせてIT・情報機器の部品、現在では自動車の部品をメインに製造していると
これまでの歩みを説明されました。
設立当初は現在の1号館の一棟だけでしたが、いまでは10号館まであるそうです。
建物の変遷をスライドで解説していただきました。
国内の従業員数は偶然にも今日見学に見えている四賀小学校の全校生徒とほぼ同じくらいの数だそうです。
タイにも生産工場があり、グローバルに活動されています。
腕時計の部品製造で培った超精密プレスの技術を現在では自動車分野に活かしています。
腕時計の部品製造で培った超精密プレスの技術を現在では自動車分野に活かしています。
上:斜め穴(穴の大きさ:髪の毛1本の太さと同じくらい)
下:オリフィスプレート
上:斜め穴(穴の大きさ:髪の毛1本の太さと同じくらい) 下:オリフィスプレート
動画を見ながら諏訪の工業について学習していただいてます。
動画を見ながら諏訪の工業について学習していただいてます。
1号館からスタートし、現在最も新しい社屋は10号館です。
1号館からスタートし、現在最も新しい社屋は10号館です。

みんな大好き、クイズが始まりました。

一通り会社説明があった後にクイズが始まりました。子どもたちを飽きさせない工夫がされています。
やはり、子どもたちはクイズが大好き。ボルテージが一気に高まります!
会社にまつわる、とても工夫を凝らしたクイズで、その後の会社案内に関わる布石が打たれていました。

クイズが終わった後、会社説明が再開しました。
特に印象的だったのは主力製品の「オリフィスプレート」という
ガソリンを霧状に噴射する装置の部品の説明でした。
「髪の毛一本と同じくらいの太さの穴を「斜め」に正確に開ける技術で、ガソリンが細かい粒子で均一に
噴射されることで効率よく燃焼し、自動車の燃費を高めている。結果的に50年で枯渇すると
言われている石油の消費量を削減でき、また排気ガスも減らすことが出来る。
このオリフィスプレートは「世界の空を美しく保っているんだ。」という解説に
子どもたちは熱心にメモを取っていました。
ちなみに誰もが知っているであろうあの車には必ず使われているそうです。
身近な所にこんなスゴイ会社があったのかと皆驚いている様子でした。

またこの後の工場見学に関連する加工技術(プレス加工・切削加工)も簡単に解説していただきました。
プレス加工は料理に例えると型抜きクッキーのようなものと説明があり、「やったことあるよ!」と
声が上がりました。身近なものに例えていただけると分かりやすいですね。

最後にタイにも工場があるということで、タイ語のあいさつも簡単に学習しました。
諏訪の工場にもタイから来られている技能実習生の方がいますので、
もし工場で会ったら挨拶できるといいですね!

会社案内を通じて諏訪の工業の歴史、技術、環境問題、言語など様々な分野にわたる発見と学習ができました。
工夫を凝らしたクイズ。皆わかるかな?
工夫を凝らしたクイズ。皆わかるかな?
ガソリンを噴射する装置「インジェクター」。先端に取り付けられているのが「オリフィスプレート」です。
ガソリンを噴射する装置「インジェクター」。先端に取り付けられているのが「オリフィスプレート」です。

いよいよ体験学習スタート

会社説明が終了し、プレスの疑似体験グループと工場見学グループに別れます。
今回は6班に分かれ、それぞれ社員さんに案内していただきます。
そして、この日のためにスタンプラリーを企画してくださいました。
スタンプは社員の方が3Dプリンターを使って作成されたそうです。(スゴイ!)
見学コースのどこかにスタンプが配置されています。
スタンプを押していくと何が出来るのでしょうか?楽しみです。
スタンプラリーが始まります。
スタンプラリーが始まります。
スタンプラリーの台紙。
スタンプラリーの台紙。

プレス疑似体験

プレス加工の疑似体験として、オリジナルマグネット/バッチ作りをしてもらいました。
手動のプレス機に材料をセットし、プレスすることで材料が圧着する仕組みです。
様々なデザインが用意されており、子どもたちは悩みながら選んでいました。
社員の方の説明を良く聞きながら、一人ひとりマグネット/バッチを作っていました。
良い思い出になりますね。
オリジナルマグネット製作スタート
オリジナルマグネット製作スタート
材料。マグネットかバッチのどちらを作るか選びます。
材料。マグネットかバッチのどちらを作るか選びます。
デザインの台紙と型抜き機。
デザインの台紙と型抜き機。
真剣にデザインを選んでいます。
真剣にデザインを選んでいます。
手動プレス機にセットして…
手動プレス機にセットして…
社員の方のサポートを受けながら、プレス機に力を込めて押します。
社員の方のサポートを受けながら、プレス機に力を込めて押します。
出来たよ!
出来たよ!

そして工場見学へ

まずは主力製品であるオリフィスプレートの現場を見学しました。
ミクロン単位の小さい穴を斜めに開けるプレス機を見させていただいたり、
順送という複数の工程が組み込まれ金型で材料をプレスする様子を学習しました。
この製品を一日数十万個生産しているなんてとても驚きです。。。!
早速スタンプ台を発見!
早速スタンプ台を発見!
順送プレスで徐々に金属のプレートが成形されていくよう様子をみています。
順送プレスで徐々に金属のプレートが成形されていくよう様子をみています。
業務用エレベーター。積載量3000㎏です。見たことのない大型のエレベーターに皆大興奮でジャンプしていました。
業務用エレベーター。積載量3000㎏です。見たことのない大型のエレベーターに皆大興奮でジャンプしていました。
「斜め孔」加工をしている現場も見学しました。ここでは金型の説明もありました。
「斜め孔」加工をしている現場も見学しました。ここでは金型の説明もありました。

移動して切削の現場や検査工程も確認

主にディーゼル車用の部品を製造している工場も見学しました。
ここでは切削加工機が所狭しと並び、切削油をかけながら金属を加工しているダイナミックな様子に
皆驚いている様子でした。
そして検査工程も見学しました。カメラを搭載した検査ロボットが全数検査している模様も見ることが出来ました。
そこでは自動化できる工程は積極的に機械の力を頼り、機械ではできない部分はヒトの目で丁寧に確認していると説明がありました。

移動の途中で、偶然にもタイ工場から来られている技能実習生の方がいらっしゃり、子どもたちは早速習ったコトバ
「サワディーカー(こんにちは)」とあいさつをしていました。
実習生の方も嬉しそうに挨拶を返されている様子がとても印象的でした。習ったことが早速活きましたね!
ロボットアームに興味津々です。
ロボットアームに興味津々です。
検査機器。特別に機械の中を見せていただきました。
検査機器。特別に機械の中を見せていただきました。

展示コーナーへ移動

検査室の一角に小松精機工作所の技術を展示してるコーナーがありました。
インジェクターからガソリンが斜めに噴射されている様子を模した装置、製品の見本、SUWAプレミアムでおなじみの砂時計等が展示されていました。興味深そうにショーケースを眺めていました。
展示コーナーの一角にはオリフィスプレートの穴をスコープで拡大して見ることが出来ました。
オリフィスプレートが搭載されたインジェクターから噴射される霧状のガソリンを疑似体験できます。
オリフィスプレートが搭載されたインジェクターから噴射される霧状のガソリンを疑似体験できます。
こんなに部品って小さいんだ。
こんなに部品って小さいんだ。
拡大鏡でのぞく、ミクロのセカイ。
拡大鏡でのぞく、ミクロのセカイ。
のぞいてみよう。
のぞいてみよう。
徐々にスタンプが埋まってきました。
徐々にスタンプが埋まってきました。

再び工場へ

試作品や金型部品など1品ものを製作する現場にも立ち寄りました。
この部署の方々は何でも金属加工できる技術屋集団だそうです。
言われてみれば職人のような雰囲気がありました。
途中、UFOのような大きな切削機械にも遭遇しました。
五味さんの「夜になると飛んでっちゃうんだ」という冗談を子どもたちは楽しそうに聞いていました。
最後に検査・梱包の現場を見学しました。
張り詰めた雰囲気で、検査員の方が顕微鏡でじっくりと製品の状況を確認していました。

UFOのような大型の切削機械。その大きさにびっくり。
UFOのような大型の切削機械。その大きさにびっくり。
屋上から小学校を眺めることができます。
屋上から小学校を眺めることができます。
移動途中に見えた小松精機のシンボル「松」と亀にも見える石。
移動途中に見えた小松精機のシンボル「松」と亀にも見える石。

ゴール

食堂に戻ってきて、いよいよゴールのスタンプを押します。
広い工場を移動しながら色々な技術や機械・設備を見ることが出来ました。
時計からスタートし、事業を拡大しながら工場を増設していった歴史を
スタンプラリーを通じて間近に感じることが出来たのではないでしょうか?
いよいよ最後のスタンプです!
いよいよ最後のスタンプです!
最後のスタンプは小松精機工作所のシンボルの松です。
最後のスタンプは小松精機工作所のシンボルの松です。
全てのスタンプを押すと敷地の全体像が現れました!
全てのスタンプを押すと敷地の全体像が現れました!
全部そろったよー!
全部そろったよー!
この日のために会社PRグッズを用意しました。
この日のために会社PRグッズを用意しました。

最後に質疑応答と社長からエール

子どもたちが食堂に戻ってきました。感想を聞くとみんな「楽しかった!」と話していました。
質疑応答コーナーでは数多くの児童の手が挙がりました。
特にお金にまつわる質問が多かったです😅やはり気になりますよね…
回答に困る質問がありながらも社長と五味さんは誠実に答えていました。
そのような中「今後どのような新しい取り組みをしていくのか?」という鋭い質問もありました。
丁度、開発部門の責任者がいらっしゃり、こう回答されました。
「現在、医療分野の進出やモーターの電気の効率化に寄与する研究を行っている。
これからも部品の供給を通じて世の中に必要なモノを作っていく。
皆さんがあったらいいな、必要だと思うモノを教えてほしい。小松精機はそれを作っていきます。」
自動車の部品で世界シェア約40%を誇る地位に甘んじることなく、常に新しい分野に挑戦していく
この姿勢が小松精機工作所のイマを作っているのかも知れませんね。

最後に小松社長から子どもたちに「この時期は勉強も大事だけど、とにかく外で
友だちと一生懸命遊ぶこと。そして大人になったら日本、諏訪を支える人になってほしい。
そして、今日の思い出が残っていて当社を覚えている子がいれば、ぜひ当社に来てくれたら嬉しい。」と話されました。
積極的に質問されていました。
積極的に質問されていました。
小松社長よりエール。
小松社長よりエール。
今日は貴重な経験をさせていただき有難うございました。
今日は貴重な経験をさせていただき有難うございました。
最後に集合写真。
最後に集合写真。
お土産に会社紹介マンガをプレゼント。お家に帰って今日の事を思い出しながら読んでください。
本記事の上部からもご覧いただけます。
お土産に会社紹介マンガをプレゼント。お家に帰って今日の事を思い出しながら読んでください。 本記事の上部からもご覧いただけます。

あとがき

身近な所にグローバルで活躍するスゴイ企業がありました。
学校の目と鼻の先にある企業が実は世界の空気をキレイにしている事に
貢献していた事、是非覚えていて欲しいです。

そして今回の見学を通じて「モノづくり」って楽しいと感じた子が
沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
目を輝かせて楽しかったと語る子ども達の姿がとても印象的でした。
まさに「魅せる工場見学」でした。小松精機工作所の皆様、ありがとうございました!

会社情報
小松精機工作所 設立:1953年
事業所:諏訪本社/タイ工場
事業内容:精密プレス加工/切削・研削加工/その他機械加工

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