たねを蒔く

SUWAデザインプロジェクト2024~魅せる工場見学~ ミスズ工業 編

SUWAデザインプロジェクト2024~魅せる工場見学~ ミスズ工業 編

2024.11.15
魅せる工場見学プロジェクト、2番目にお披露目となったのはミスズ工業です。
ミスズ工業は腕時計の組立からスタートし、現在では培った精密加工技術を様々な分野に展開しています。顧客からのどんな難題も諦めずに取り組む姿勢から「困ったときのミスズさん」と呼ばれているんだとか。
今回見学に来られたのは四賀小学校5年生の約40名です。
初めて目にするであろうミクロン単位の超精密部品のセカイ。子供たちの目にどう映るのでしょうか?

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会社説明からスタート

まずは食堂に集まり、会社説明と諏訪地域の工業の歴史を学習しました。
諏訪地方が精密産業の集積地となったきっかけのひとつは時計産業への挑戦であったこと。そして、そのきっかけを作った諏訪精工舎(現セイコーエプソン)の創業者である山崎久夫さんは今回ご説明頂いた山崎専務の曽祖父にあたること。(説明に重みを感じます。。。!)

会社説明ではミスズ工業は腕時計の組立からスタートし、現在では時計から家電・自動車・産業ロボットなど様々な分野に関わる精密産業の仕事をしており、国内外に製造拠点を持っています。
また山崎専務には社会の授業さながらの説明をしていただきました。5年生はちょうど社会の授業で工業について学習したばかりなので、良い復習の機会になりました。自動車業界を例にサプライチェーン、大工場と中小工場について学んで頂きました。大工場・中小工場のそれぞれに役割があり、自分たちの作る部品は小さいけれど無いと機械が正常に動かないんだという説明に真剣に耳を傾けていました。
学校から見えた、すぐ近くの会社は、皆さんの日常生活で欠かせない重要なものを作っていました。
社員食堂に集合しました。これからどんなプログラムが始まるか、皆わくわくした面持ちで待っています。
社員食堂に集合しました。これからどんなプログラムが始まるか、皆わくわくした面持ちで待っています。
今回説明してくださるのは山崎専務です。
今回説明してくださるのは山崎専務です。
動画を見ながら諏訪の工業の歴史や特徴を学んでいきます。
動画を見ながら諏訪の工業の歴史や特徴を学んでいきます。
諏訪地方は「東洋のスイス」と呼ばれており、時計・カメラ・オルゴールなどの精密機器の⽣産を中⼼に発展してきました。諏訪地域とスイスは気候、風土、気質がとても良く似ていたそうです。スイスに追い付け追い越せと先人たちは頑張ってきました。
東洋のスイスを知っている子どもたちは残念ながらいませんでしたが、是非覚えて帰ってくださいね。
諏訪地方は「東洋のスイス」と呼ばれており、時計・カメラ・オルゴールなどの精密機器の⽣産を中⼼に発展してきました。諏訪地域とスイスは気候、風土、気質がとても良く似ていたそうです。スイスに追い付け追い越せと先人たちは頑張ってきました。 東洋のスイスを知っている子どもたちは残念ながらいませんでしたが、是非覚えて帰ってくださいね。

いよいよ工場見学へ

一通りの説明を終えて、工場見学がスタートします。
安全性や聞きやすさを考慮して7グループ(5.6名)に分かれて見学します。所要時間は20分です。
最初に見学したのはプレス工場です。
プレス加工の肝である金型を実際に見ながら、プレスについて学びました。今回拝見した金型は順送プレスの金型であり、加工機に送られると順々に打ち抜かれ、薄い金属の板が次第に製品へ成形されていきます。子どもたちは初めて耳にするであろうプレス加工の説明を一生懸命聞いていました。
間近で見るプレス機は迫力がありますが、ここで稼働しているプレス機は一般的に小さい方なんだとか。
工場見学へ行くグループと体験プログラムを行うグループに分かれます。
工場見学へ行くグループと体験プログラムを行うグループに分かれます。
普段は入れない工場の敷地内に皆さんワクワクしています。
普段は入れない工場の敷地内に皆さんワクワクしています。
会社の技術の結晶である金型を説明。プレスの仕組みや形状に皆興味津々です。
会社の技術の結晶である金型を説明。プレスの仕組みや形状に皆興味津々です。

次は材料保管庫と別棟の工場へ

金属というと一般的には厚くて重いものをイメージしますが、同社ではロール状に巻かれた薄い板状の金属を主に使用しています。諏訪地域の精密産業の特徴は「軽薄短小」と呼ばれていますが、やはり材料も薄いのですね。普段目にしない素材に皆さんは興味深く見ていました。

続いて見学するのは別棟の工場です。
24時間稼働して製品を加工する機械等、様々な加工機を見た後に検査工程を見学しました。
人の目で確認する部分はしっかりと検査を行い、ロボットでも代替が可能な検査はロボットが行っています。
ロボットアームで製品を掴み、次々と検査していく様子はとても未来的です。
ミスズ工業の強みの一つはRS(ロボティクスソリューション)事業を持っていることで、今回見学した検査ロボットは箕輪工場で自社用にカスタマイズして作ったそうです。
「精度の良い製品は精度の良い機械が必要、ならば自分たちで納得のいくものを作ろう」という想いで加工する機械の製造まで手掛けています。モノづくりに対するこだわりを感じますね。

そして、会社の重要機密満載の設計室にも特別にお邪魔しました。ここでは金型の設計やシミュレーションを行っています。他の現場とは少し雰囲気の違う、研究所といった雰囲気でした。
材料保管庫で製品のもととなる素材を見学しています。
材料保管庫で製品のもととなる素材を見学しています。
検査ロボットの説明を受けています。次々と製品をOKとNGに判定していく様子は見ていてとても楽しいです。人間がかかわらなくて良い部分は積極的に自動化を進めています。
検査ロボットの説明を受けています。次々と製品をOKとNGに判定していく様子は見ていてとても楽しいです。人間がかかわらなくて良い部分は積極的に自動化を進めています。

最後に展示室へ

最後に展示室に移動して、ミスズ工業の手掛ける様々な製品を見ました。自動車・時計・産業機械など、多種多様な小さな部品が並び、子どもたちは目を輝かせていました。
また、展示室横の秘密の通路を特別に開放していただき、そこから金型を作っている作業場を上から眺めました。ミクロン単位の調整が必要な金型はわずかな温度・湿度変化が大敵です。そのため24時間温度と湿度が一定に保てるよう、空調設備で厳格に管理されています。
「こんなに小さいんだ!」ミクロの世界に皆、驚きを隠せません。一見、丸にしか見えない米粒サイズの製品も目を凝らして近づいて見るとギザギザのある歯車でした。また、どうやって作るか分からない複雑な形状をしたものばかりでした。
「こんなに小さいんだ!」ミクロの世界に皆、驚きを隠せません。一見、丸にしか見えない米粒サイズの製品も目を凝らして近づいて見るとギザギザのある歯車でした。また、どうやって作るか分からない複雑な形状をしたものばかりでした。
2階から金型の製造現場を見学しています。
2階から金型の製造現場を見学しています。
工場見学後の補足資料として、技術を分かりやすく解説したパネルが食堂に展示されています。
工場見学後の補足資料として、技術を分かりやすく解説したパネルが食堂に展示されています。

体験ワーク

工場見学の次は体験ワークのスタートです。
ミスズ工業の主力製品の一つは時計の部品です。
今回、時計には欠かせない歯車を厚紙と爪楊枝等で子どもたちに工作してもらいます。
社員の皆様にサポートいただきながら、真剣に作っています。
歯車が回るためには大小それぞれの歯車がかみ合うように作らなければなりません。
歯車が出来上がったら高さや近さを工夫しながら試行錯誤を重ね、微調整していきます。
単純そうに見えて、意外と難しい。引率の先生も熱中して作っていました。
モノづくりの奥深さを改めて感じます。
今回制作した歯車より、はるかに小さいものを高精度で大量に作れるミスズ工業は改めてすごいと感じました。
材料の厚紙。はさみで切り、大小の歯車のパーツを作ります。
材料の厚紙。はさみで切り、大小の歯車のパーツを作ります。
社員の方が作り方を子どもたちにレクチャーされています。
社員の方が作り方を子どもたちにレクチャーされています。
爪楊枝をボンドで接着し、歯車を作っています。
爪楊枝をボンドで接着し、歯車を作っています。
完成品。うまく歯車は回りましたか?
完成品。うまく歯車は回りましたか?
みんな、とても良い笑顔です!
モノづくりの楽しさ・難しさを感じてもらえたでしょうか?
みんな、とても良い笑顔です! モノづくりの楽しさ・難しさを感じてもらえたでしょうか?

マンガをお土産にプレゼント

最後に質問タイムとまとめを行いました。
山崎専務は子どもたちに「君たちは将来何をやりたいかまだ決まっていない人は多いと思うけど、諏訪には魅力的な企業がたくさんあるので将来諏訪で働いてほしい。ミスズ工業は今よりもっと魅力的な会社になっているので、10年後一緒に働けたら嬉しい。」とエールを送られました。

いかがだったでしょうか?
地元に根差し、国内外で様々な産業を支えるミスズ工業。身近な所に小さな部品で皆さんの日常を支えるスゴイ会社がありました。
今日の工場見学を親御さんに話してくれると嬉しいです。
質問タイムでは子どもたちから積極的に手が上がりました。
質問タイムでは子どもたちから積極的に手が上がりました。
今日見学してくれた子の中から、将来ミスズ工業で一緒に働く人がいたら素敵ですね。
今日見学してくれた子の中から、将来ミスズ工業で一緒に働く人がいたら素敵ですね。
お土産のマンガ。今日の工場見学を思い出しながら読んでください。
本記事の上部からもご覧いただけます。
お土産のマンガ。今日の工場見学を思い出しながら読んでください。 本記事の上部からもご覧いただけます。
最後に社屋の前で記念撮影。お疲れさまでした!
最後に社屋の前で記念撮影。お疲れさまでした!

会社情報
ミスズ工業 設立:1964年
事業所:本社・諏訪工場、箕輪工場、岩手工場、大阪営業所
関連会社:ミスズ工業(香港)株式会社、明思作機電(無錫)有限公司
事業内容:精密部品事業、精密組立事業、RS事業

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