SUWA仕事場図鑑

製造業の幅を超えた柔軟な挑戦
丸安精機製作所が作る
新しい取り組み

製造業の幅を超えた
柔軟な挑戦
丸安精機製作所が作る
新しい取り組み

2020.08.07

株式会社 丸安精機製作所

MARUYASU-SEIKI co.,Ltd

株式会社丸安精機製作所(以下、丸安精機製作所)は、アルミなどの非鉄金属や樹脂への切削加工を行っている会社です。特にオーディオのつまみやカメラレンズのリングなど、外観部品への“超美麗切削加工”をメインで取り扱っています。さらに主力事業だけでなく、世界レベルで評価される“超美麗切削加工”を生かした自社製品製作や、自社キャラクターの公募など、製造業という枠を超えた様々な取り組みへの挑戦も。そのほか、他国からの技能研修生を受け入れたり、女性社員を積極的に採用したりと、柔軟な考えの元で“楽しく働ける会社”を目指し、日々邁進しています。

丸安精機製作所 のここがスゴイ!

自慢のローレット加工を表現する
自社ブランド「Laurett’s」

オーディオ機器やカメラの外観部品の切削加工をメインに行っている丸安精機。特に得意とする加工は、細かなぎざぎざを入れるローレット加工、レコード盤の筋のような模様を入れるスピン加工、角を削ることで輝きを出すダイヤカット加工です。中でもローレット加工は、創業以来受け継いできた業界屈指の技術。このローレット加工を中心に3つの加工を生かした自社製品も展開しています。自社製品について、丸安精機の取締役・長峰さんにお話していただきました。

「自社製品を持つのは、かねてからの夢でした。きっかけをくれたのは諏訪市役所産業連携推進室。諏訪のデザイナーさんたちがうちで工場見学をする機会をくださったんです。その時に来たデザイナーさんのひとりがローレット加工を見て、ステーショナリーとのコラボを提案してくれました。企画を進めていく中で、うちが“固い”金属に施す加工と伝統的な“柔らかい”筆を掛け合わせた製品を作ったら面白いのではという話になりました」

自社ブランド「Laurett's」を立ち上げ「丸安精機製作所」の洗練された切削技術と、歴史ある墨汁の老舗「開明株式会社」のコラボレーションによって生まれたMLK万年毛筆

こうして完成したのが、高級万年筆のような見た目のスタイリッシュな筆ペン「Laurett’s/MLK万年毛筆」。外周全面に施された美しいローレット加工のデザインは、細かな格子柄に大きめの格子柄、そしてストライプのようにローレットが入った柄の3種。今では東京の文房具店・伊東屋や蔦屋書店にも並びます。また、長野県諏訪地域の逸品を集めた地域ブランド「SUWAプレミアム」の認定商品としても人気です。

「下請けではなく、最終製品を生産するメーカーになっていきたいという大きな目標はあります。そのためにブランドを立ち上げて、種を撒き始めている。自社製品を軸にする“メーカー”になっていきたい。うちのような小さい町工場が頑張って、例えばLaurett’sという有名なブランドを確立していったとしたら、地域貢献にも繋がるとは思っています。若者の製造業に対する考えも変わっていくのではないでしょうか。規模が小さいからこそ自由にできるうちみたいなところが、そういうきっかけになり得ると思っています」

他国からの研修生や女性社員も積極的に雇用している
リズミカルに表面加工を行うマシン

丸安精機製作所 のここがスゴイ!

ジャズの流れる工場からPRキャラまで!
常に新しいことをする“異端”な製造業

Laurett’sのほかにも、丸安精機は、製造業の枠にとらわれない様々な取り組みを行っています。 “ただの製造業ではいられない”という強い想いが伝わってくる細かなこだわりの中には、BGMとして作業中の工場にジャズを流すという粋なものも。

「ただ機械音が流れているのも寂しいじゃないですか。心地よく聞き流せるジャズがちょうどよかった。ジャズからアルファ波が出ているから、製品の出来がさらに良くなるんじゃないかと、なんとなく期待しています(笑)」

さらに、自社をPRするために、イラストレーターを公募して自社キャラクターを制作しました。スピーカーヘッドホンや自社で扱うようなパーツを多く身につけたアニメ風の女の子「蜜機(みつき)ひびき」です。

「自社のPRキャラクターとして作りましたが、自立したコンテンツとして認知されていってほしい。“この子だれ?”ってなって掘り下げていったら、どうやら丸安精機ってところが操ってるらしい…みたいな(笑)。クリアファイル、缶バッチ、アクリルキーホルダーなどのグッズを作って配っています。地元の展示会で映像を展示すると、反応がいいですね」

丸安精機製作所PRキャラクターの「蜜機(みつき)ひびき」。もっと彼女がオリジナルな存在になるよう、様々な施策を考えているそう。

自社のことを謙遜しながら、“なんちゃってベンチャー”と称する長峰さん。Laurett’sのように自社の技術に関わるものでなくても、「世間が注目するようなものはどんどん作り出していきたい」と語ってくださいました。

「新しいことをやりたいんです。普通の製造業の会社にはしたくないから、いらないルールはなくして、新しい会社の形を模索している感じはあります。会社が盛り上がれば、まだ若い従業員も会社を誇りにできる。そういう状態まで持っていきたいですね」

こういった“若者への橋渡し”的な想いは、代表取締役社長の笠原さんが元々持つビジョンでもありました。笠原さんは諏訪への想いも込めながら、最後にこんな風にお話してくださいました。

「私の会社ではなく、みんなの会社。家業だったところから企業に、10年かけて徐々にしてきました。例えばホテルのドアノブやオーディオのつまみなど、人の目に触れるものを作っているということは、若い人たちにとっても嬉しいし説明がしやすい。それはやりがいに繋がると思うんです。仕事は、楽しくないとね! 諏訪は工業が盛んで行政も力を入れてくれているから、新しいことをやりやすい環境だと思います」

代表取締役の笠原さん(右)と取締役の長峰さん(左)
休憩室に貼られている丸安精機製作所の経営理念

丸安精機製作所のこともっと知りたい!

社内でやっている新しい試みは?

“常に会社に新しい風を吹かせる”ことを意識している長峰さんに、社内での取り組みに関わる最近のトピックスをうかがいました。

「社内で『未来のヒット商品発表大会』を開催しました。作れる人は作って、作れない人は絵に描いたり、他の社員に助けてもらったりして、それぞれが考える未来のヒット商品案を持ち寄ったんです」

実際にある社員さんが出した“つまみ型のマグネット”案はプロダクト化し、彼女は商品としてそれを売るまでに至ったそうです。プロジェクトを任せたことで、彼女自身も以前よりさらに仕事に積極的になったとか。社員さんのモチベーションを大切にする丸安精機の一面が見えるエピソードでした。

取締役・長峰さんの入社経緯は?

実は製造業には全く興味がなかったんです」

意外にもそう語る長峰さんは、入社8年目。以前はライブハウスで働いていたり、ブライダルカメラマンとして写真を撮っていたりと、少し変わった経歴の持ち主です。丸安精機に入社したきっかけは、前職の広告代理店で“工業ガイドブック”を担当していた時に、社長の笠原さんと出会ったことだそう。

「市の担当の方から、(笠原さんは)面白い人だよと聞いて。会いに行ってみたら、僕自身の持っているビジョンと社長のビジョンが同じだったので、こういう人と一緒にやりたいな、と。土下座してお願いしようとしたら、途中で止められちゃいました(笑)」

社長と長峰さんの共通する“ビジョン”とは、自分の大事な人たちが笑顔でいられるような仕事をすること。そして工業ブックの制作や丸安精機への入社を経て、改めて諏訪が製造業において類を見ない素晴らしい土地だということも実感したとお話してくださいました。

丸安精機製作所オススメのSUWA

ふらっとパーク 諏訪湖SA

丸安精機の代表取締役社長・笠原さんが教えてくださったおすすめスポットは、サービスエリア「ふらっとパーク 諏訪湖SA」。実はこのサービスエリア、一般道からも入ることが出来るため、高速道路に乗らなくても楽しめるんです。「ラーメン食べて、お土産買って。結構通ってます」と笠原さん。お腹を満たせる食事コーナーはもちろん、一息つけるカフェがあり、バラエティに富んだお土産もゲットできます。「SUWAプレミアム」の商品も並んでいるので、諏訪に来たら是非“ふらっと”立ち寄ってみてほしいスポットです。

会社情報
所在地 〒392-0016 長野県諏訪市大字豊田2243-2
交通アクセス JR上諏訪駅から車で約11分
ホームページ https://maruyasu-seiki.co.jp/
「Laurett's」公式サイト http://lauretts.jp/
電話番号 0266-52-3756
事業概要 金属・プラスチックの旋盤加工、マシニング加工、複合加工および試作

この記事をシェアする

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェア
  • LINEでシェア

お問い合わせContact

「諏訪で新しいことがしたい」。そんな思いに応えるのが、わたしたちのミッションです。
激動する時代に不安を感じる、今の事業に変化がほしい、自社技術の可能性を拡げたい。
諏訪の技術を世界へと伝え、異分野と繋ぐことで
「ものづくり」をアップデートするお手伝いをさせていただきます。

contact_img