ひとと会う

諏訪湖畔にオープンしてから早や12年。
地域はもちろん、観光客、そして遠方からも根強いファンのいる
複合施設、「くらすわ本店」。


諏訪湖畔にオープンしてから早や12年。
地域はもちろん、観光客、そして遠方からも根強いファンのいる
複合施設、「くらすわ本店」。

2022.08.02

「ちょっとした贈答用に」、「記念の日はレストランで」、「自分
へのご褒美に」、「何か新しい品がある少し見てみたい」・・・。
目的は様々かもしれません。
ですが、そこに共通しているのは「非日常の美味しさ、楽しみ」か
もしれませんね。
そんな「非日常」を演出するのは、諏訪湖畔に立地する「くらすわ」。
「薬用養命酒」で有名な養命酒製造株式会社が、2010年にプロ
デュースした「健康生活提案型複合施設」です。
開業してから12年。
今では、「くらすわ」は松本市、長野市、駒ヶ根市、そして東京都
内のスカイツリータウン「ソラマチ」にもオープンし、「すわ」の
名と共に広がり続けています。
その「くらすわ」の背景には、どのような想いや、理念があるので
しょうか?
「くらすわ」の鈴木店舗運営グループリーダー(写真)、小松広報
企画担当、湯田坂ブランディング担当にお話ししてもらいました。

「くらすわ」 のここがスゴイ!

明確な企業理念に基づき、将来を見据えた事業展開!

「くらすわ」の本社である養命酒製造では、3つの企業理念(経営理念、企業ビジョン、事業ビジョン)を掲げています。

その養命酒製造の企業理念を具体化するための事業として、大きく2つの展開に分かれているんですね。一つは従来の薬用養命酒に関する事業で、これまで培ってきたものを深掘りし深化させ、売り上げの安定と効率化を目指すものです。

そしてもう一つが「くらすわ」ブランドを軸とした事業なんです。これまで店舗を中心に展開してきた「くらすわ」については、これからさらに大きくしていく事業と位置付けています。そのため、まだまだ探索の段階にあるといえます。

そうした背景がありますので、「くらすわ」オリジナルのイメージに特化したい思いから、この「くらすわ」本店でも、あえて企業カラーを外しているんです。

養命酒製造の企業カラーが強すぎると、中々「くらすわ」本来のイメージである「美味しさ」や「楽しさ」といった点を伝えにくい面もあるためなんです。

「くらすわ」 のここがスゴイ!

こだわりのプライベートブランドを独自に商品化

「くらすわ」のプライベートブランドを手に取り説明してくれた、ブランディング担当の湯田坂さん

「くらすわ」で取り扱っている商品では、購買されるお客様に対し、良い品物をなるべく購入しやすい価格で提供しています。これは、私どもが生産者の方や業者の方と直接取引してプライベートブランドを開発し、手の届く価格を実現しているためです。

プライベートブランドの素材では、「地産地集」として地域の物を集めて編集し、「くらすわ」にしかできない形で提案するという“こだわり”で進めています。はい、「地産地“消”」ではなく「地産地“集”」として、その土地の良い物を長野県産に限らず使っています。

その土地の良い物ですが、我々社員が目利きの経験を積みながら、様々な伝手(つて)を頼りながら仕入れています。

そうした素材をアレンジしてプライベートブランドにしているんですね。

新しいプライベートブランドとしては、野菜チップスや、「ポルボローネ」という口溶けの良いクッキーなどがあります。

そうですね、今から数年前は、プライベートブランドの占める比率は1/3くらいだったのですが、現段階ですと約半分近くに達しています。今後、その比率もさらに高めていきたいですね。

「くらすわ」 のここがスゴイ!

レストランでも調理の手間を惜しまず、信州産の素材を活用

1Fカフェで提供されているメニューにも、季節限定品などこだわりがあります

そのような、「くらすわ」でのリテール(個人顧客向け販売)を始めたきっかけですが、「すこやかさ」、サービス、時間、空間を、お客様に提供したい思いからです。

ショップではギフトを購入されるお客様もおられますし、それ以外でも、レストランには家族連れのお客様が集まります。また、諏訪湖畔のホテル宿泊者の方の中でも、夕食を「くらすわ」で召し上がりに来られる方もいます。

(「レストランの価格もリーズナブルとの声もありますが?」との質問に)、そこはシェフの腕ではないですかね?(笑)。

信州産の食材にこだわって調理しているので、その分コストはかかりますが、価格を抑える工夫としては、出来合いの物や加工品を使わず、家庭で対応するとなると大変な作業でも、全て手間をかけて自分たちで仕込んでいます。

その意味では、「シェフの腕でカバーしている」ともいえるかなと思っています。

「くらすわ」 のここがスゴイ!

出会いの地「諏訪」をプロデュースする「くらすわ」

ロケーションの良さで「出会い」の場も演出します

「くらすわ」も今年で開店12年目を迎えます。昭和時代に、会社の工場が岡谷市にあった時もあるのですが、開店当初は今ほど地域に浸透していなかったようです。そこからコロナ禍もあったとはいえ、売り上げや来客者も増加傾向にあります。

お客様からの反応として、観光客の方だけでなく地元の方からも「くらすわが地域に合って良かった」と言っていただけるのは励みですね。

もちろん、地元のお客様が多いのはありがたいのですが、とある横浜のお客様の中に「今日これから行きたい」と電話があり、車でご移動され当日来られた方もいらっしゃいました。

諏訪は首都圏・名古屋圏に近いという地の利もありますので、他でも、例えば東京在住の人と名古屋在住の人が「くらすわ」で待ち合わせ、友達同士が出あうケースもあったんですね。

「くらすわ」をご利用いただいているお客様は、もちろん諏訪地域にお住まいの方が一番多い中で、このような形で県外の方がご利用されるケースは驚きでしたね。

「くらすわ」 のここがスゴイ!

今後も、「すこやか」な「くらすわ」を広げていきます

イベント実施も可能な大階段。屋根も設置されました

こうしたくらすわの理念は従業員へも浸透していると感じています。

サービス面では、職員向けの研修ももちろん実施していますが、従業員のお客様への意識は高いと感じますね。お年を召されたお客様が多いので、ショップで困った様子のあるお客さまへは積極的に声掛けをする姿勢が多くみられます。スタッフ1人1人が心掛けている現れだと思います。

それ以外にも、これまで開催していた物販イベントもコロナ禍でできなかったこともありますので、これから野菜マルシエも予定していますし、それ以外でも多く開催ができればと考えています。建物内の大階段に新しく屋根も設置しましたので、天候に左右されないイベントスペースとしての利用も可能となっています。

また、今後の計画として、駒ケ根工場敷地内にブランドのシンボルとして、新たな体験型施設を作る予定があります。お客様に「くらすわ」を体験していただき、そこから通信販売やギフト向け販売にも繋げられればという思いからです。

その体験施設のコンセプトですが、「すこやか」です。養命酒というイメージから分けて、「健康」、「自然の豊かさ」をベースにして計画しています。

先ほども触れましたが、「すこやか」はあえて平仮名標記にしてあり「健やか」ではないんですね。「くらすわ」の持つ楽しさ、そして美味しさをイメージして、既に確立している企業カラーを出さないように、今後も「くらすわ」の想いを広めていきたいと考えています。

 

「くらすわ」のこともっと知りたい!

「インスタグラムでも情報発信(広報企画担当:小松さん)」、「ブランドバイブルを従業員の皆さんの声も反映させて作成(ブランディング担当:湯田坂さん)」

 今回の取材に対応いただいた広報企画担当の小松(写真真ん中)さんは、「くらすわ」の広告や対外的なPR全般を担当しているとのことです。これまでの経験も活かし、コピーライティングまでこなしています。
「インスタグラムでの情報発信も始めていまして、継続しながらフォロワーの数も段々と増えているんですよ」とのことです。

ブランディング担当の湯田坂さんは、開店10周年に合わせ、「くらすわ」がオープン当初から持っていた理念をより分かりやすい形で表現するために、ブランドバイブルの見える化・言語化を進めました。作成に当たっては、湯田坂担当がメインの部分をまとめたとのことですが、「従業員皆の声も反映した内容になっているんですよ」とのことです。

「くらすわ本店」、広報企画担当 小松さんオススメのSUWA

「諏訪地域の美術館」

今回お話を聞いたお三方を代表し、広報企画担当の小松さんに「おススメのSUWA」を上げていただきました。

「諏訪地域は、自然や諏訪大社などの観光面だけでなく、いくつもの美術館や博物館があり、コロナ禍の前までは『まちじゅう芸術祭』という専用パスポートで各館を巡るイベントも開催していた土地柄でもあります。おススメの理由は、そのような『文化的な街』という側面も、県内外の皆様に知っていただければという思いからです。

実は、前職で諏訪地域の全美術館に関わった経験があるのですが、各館の学芸員の方々と接する機会も多かったんですね。そこで、個性溢れる作品の数々を1点ずつ解説いただく機会もあったのですが、自分一人で鑑賞するよりも興味が湧きやすいという体験が得られたんです。

地元の方々の中にも、近くにあると『意外に訪れたことがない』というケースも多いかなと思いますので、地域の芸術を鑑賞するために、もっと足を運んでいただくのもおススメですよ」。

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