たねを蒔く

地域密着型ものづくり講座 ~ハーバー電子編~

地域密着型ものづくり講座 ~ハーバー電子編~

2024.12.10
精密産業が盛んな諏訪市では、市内小中学生を対象に平成15年から、「ものづくり」そのものを楽しみ、更にものづくりを通して人づくりを推進させることを目的にものづくり講座を実施しています。
22年目を迎える今年度もたくさんの地元の企業にご協力いただいて、ものづくりの講話をしていただいたり工場見学をさせてもらったりしています。
今回は、ものづくり講座初参加のハーバー電子の工場見学に密着させてもらいました。

ものづくり講座スタート

ハーバー電子の社員の皆さんは、初めての受け入れということで緊張の面持ちで食堂で待っていました。
そこへ元気な諏訪西中学校1年生の皆さんが入ってきました。
「よろしくお願いします。」と挨拶をして、ものづくり講座のスタートです。

会社説明スタート

まずは、生産統括本部長の田井中さんからハーバー電子の歴史のお話から聞きました。
ハーバー電子は、48年前から電子機器用の「コンデンサ」を作ってきました。
そして2019年から電気自動車用の「コンデンサ」の生産を始めました。
地球の環境を守ろうとする世の中の動きに合わせ、世界中の自動車メーカーが電気自動車を拡大していく方向に舵をきったそうです。
いよいよ始まります。
いよいよ始まります。
ハーバー電子の歴史のお話を聞いています。
ハーバー電子の歴史のお話を聞いています。

まずはお話を聞きました

1.コンデンサはどんなもの?
一言で簡単に言うと、「電気を蓄えておくダムのようなもの」だという説明を受けました。

2.なぜ電気自動車が脚光を浴びているか?
地球温暖化などの環境問題が発生→二酸化炭素を排出する化学燃料(ガソリンなど)を減らす動き→世界的にカーボンニュートラルの流れ→より“クリーン”で“エコ”な電気の活用が求められる
これからの時代、ますます電気自動車は欠かせないものになりますね。

3.電気の活用について
続いて、管理部の佐々木さんにバトンタッチ。
“トライブリット蓄電システムのある暮らし”という動画を観せてもらいました。
トライブリット蓄電システムとは、太陽光発電・蓄電池・電気自動車をまとめて連携し、自宅でつくった電気を暮らしに最大限有効活用できる次世代の家庭用蓄電システムだそうです。
昼間は、太陽光でつくった電気をしっかり家庭に供給し、使い切れない電気は余すことなく蓄電池や電気自動車に充電。夜間は、蓄電池や電気自動車に充電した電気を家庭に供給することで、全ての電気を太陽光発電でまかなう暮らしが実現できます。
災害による急な停電時も非常用電源にできるそうです。
こんな暮らしもあるのですね。

実験!コンデンサを作ってみよう

品質保証部の渡辺さんに教えてもらいながら、ライデン瓶(静電気を蓄える装置)を作りました。
原理は、コンデンサと同じと聞いてびっくりです。
みんな早く実験をしたくてウズウズ。ずっと気になっていた目の前の材料を使って実験開始です。

用意するものは
プラスチックコップ2個、アルミ箔扇形2個、アルミ箔四角形1個、両面テープ
蛍光灯、塩ビパイプ、ティッシュペーパーです。
楽しみにしていた実験の始まりです。
楽しみにしていた実験の始まりです。
これがライデン瓶の材料です。
これがライデン瓶の材料です。

作り方手順はこちら

①コップに扇形のアルミ箔を巻き、両面テープで止める。もう一個のコップにも同様に巻く。
②四角形のアルミ箔を4つ折りに細長く折る。
③1個目のコップに②の四角形のアルミ箔を3cm位出るように、もう1個のコップで挟み込む。
④塩ビパイプをティッシュペーパーでこすって、静電気をおこさせる。
⑤発生した静電気を③のコップから出ている細長いアルミ箔に④の塩ビパイプを近づけて充電していく。12回繰り返す。
※塩ビパイプがアルミ箔に触れないように注意!
⑥蛍光灯の端子の一方を手で握り、もう一方の端子を四角形のアルミ箔にくっつける。
うまくいくと、蛍光灯の電気がつく。
コップにアルミ箔を巻いています。
コップにアルミ箔を巻いています。
丁寧に社員さんが説明してくれています。
丁寧に社員さんが説明してくれています。

社員の方もお手伝い

ライデン瓶の実験を成功させようとたくさんの社員の皆さんがお手伝いしてくれました。
中学生のみなさんも必死で塩ビパイプをこすっています。
みんな速すぎて手がぶれています(笑)
一瞬の光を見逃すまいとみんな目を凝らしています。
塩ビパイプがアルミ箔に触れないように慎重に。
塩ビパイプがアルミ箔に触れないように慎重に。
必死で塩ビパイプをこすっています。速すぎて手がぶれています。
必死で塩ビパイプをこすっています。速すぎて手がぶれています。
沢山の社員の皆さんが手伝ってくれています。
沢山の社員の皆さんが手伝ってくれています。
電気はついたかな?
電気はついたかな?

最後にコンデンサの生産ラインの見学

製造部の丸茂さんの説明を聞きながら、巻き取り工程や詰め付け工程などコンデンサができるまでの生産ラインを見学させてもらいました。
巻き取り工程では、2.5ミクロンという薄いアルミのフィルムを使うことで、大容量でありながら軽いコンデンサをつくることができるそうです。
実際に、持たせてもらうと驚くほど軽かったです。
そして、特別に有名な電気自動車も用意してくれていました。
ハーバー電子のコンデンサが実際にここに使われているんですね。
最後は生産ラインの見学です。
最後は生産ラインの見学です。
持ってみると、意外なほど軽い。
持ってみると、意外なほど軽い。
部品が製品になっていく様子を説明してもらっています。
部品が製品になっていく様子を説明してもらっています。
有名な電気自動車を用意してくれていました。
有名な電気自動車を用意してくれていました。
コンデンサはここに使われています。(赤枠の部分)
コンデンサはここに使われています。(赤枠の部分)

工場見学終了

「ありがとうございました。」とお礼の挨拶をして、中学生の皆さんは歩いて学校へ帰っていきました。
ハーバー電子にとって今回が初めての中学生の受け入れとなりましたが、講話あり実験あり工場見学ありと、見ごたえのあるものづくり講座となりました。
来年もよろしくお願いします!

会社情報
ハーバー電子 設立:1976年
事業所:諏訪工場、埼玉営業所
事業内容:フィルムコンデンサ製造

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